日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」

日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」は「作務衣の専門館『伝統芸術を着る会』」によって運営されているウェブサイトです。
カタログ和服こぼれ話

作務衣ファンからのお便り(2)

「日本の伝統や文化を外国人に教わるなんて…」







「ドイツの得意先の社長が商用で来日したので、お土産に絹の作務衣を二着差し上げたところ大喜び。帰国してからも夫婦で着ていると礼状がきましたよ。ゆかたよりスマートだし、むこうの人も馴染みやすいみたいですね」(55歳・広告代理店経営)







そういえば、日本に日本文化の研究や武道修行に来た外国人の方からご注文もよくあります。自分の国の伝統や文化を外国の人に教わるということですか。



これではいけない!と私どもの普及活動にも一段と力が入る次第です。







「作務衣での外出、最初は勇気がいったが…」







「作務衣を着て外出するのに、最初は勇気がいった。でも、一度そのまま電車に乗ってからは平気になり、どこへでも出かけられる。絹古彩の鉄紺に羽織を合わせて、先日友達の結婚パーティーに出席したら注目のマトとなって、もう病みつきになりそうです」(31歳・公務員)







恥ずかしいことはありません。これからも積極的にご着用になり、モテまくって下さい。







「定期的にカタログを送って欲しい」とご住職。







あるお寺のご住職さまから、お電話をいただきました。







「地方のせいか、本格的な作務衣を求める機会がない。お宅の品は実に心がこもっていて素晴らしい。カタログを定期的に送って欲しいのだが…」







ご安心下さい。『作務衣かたろぐ』のご購読はいつでも受付中です。







ご叱責やご提案――ありがたいことです。







今後も作務衣についてのご意見やご感想、開発へのご提案やアドバイス、さらに詩、短歌、俳句、書、絵などの作品投稿も大歓迎です。また、できますれば作務衣姿のお写真をご同封いただければ、これ以上ない喜びです。


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カタログ和服こぼれ話

作務衣ファンからのお便り(1)

ご愛用の皆様からさまざまなお便りが届いています――







伝統芸術を着る会の作務衣や藍染などの作品は、北海道から沖縄まで、時には海を越えて外国にまで届けられています。そのご愛用の皆様から、着用の感想やエピソード、そしてご提案などが、毎日のように当会に送られてまいります。その中からいくつかをご紹介してみましょう。







寄せられるお便りの封を切る時、なんだかワクワクしてしまいます。お届けした作務衣が、皆様の暮らしの中でどんな彩りとなっているのか…それを思う時は、ちょうど娘を嫁に出した親のような気分なのです。







「作務衣のおかげで茶道教室の看板おやじに…」







「女房が自宅でお茶を教えていて、金曜の夜は、若い娘さんたちに我が家は占領されてしまいます。そんな広い家ではないから、どうしても私の姿は目に入ります。



こちらは週末ぐらいのんびりしたくてひどい格好してまして、女房にいわせると、どうもジジくさいとか。







で、女房と相談して武州の作務衣を着るようになったところ、これが若い娘さんたちに大好評。茶席のお客役として招かれたり、外で会ってもあいさつされたり…。







いつも同じじゃみっともない。今度は絹の作務衣を着てみようか――と女房に言うと、『仕方ないわね』といつもは固い財布のヒモをゆるめてくれます。



だって私は、今では、大沢茶道教室の“看板オヤジ”なんですから…。



今のうちなら大丈夫ですので、次々と新作を発表してください」(52歳・会社員)







こんなほほえましいお便りを受け取ると、嬉しくなってしまいます。新作、頑張ります!



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99~00年の作務衣 , デニム&カジュアル作務衣

あったか作務衣 暖(あったかさむえ だん)


新素材の蓄熱効果で常に抜群の暖かさ



作務衣の進化の役に立つものであれば、森羅万象のあらゆる垣根を越えて探し求め、採り入れることを指標とした「作務衣進化論」。それは私どもが作務衣の開発に着手する際の大きな基本理念のひとつです。



「冬には冬の作務衣を」というテーマが掲げられれば、洋の東西、歴史の古今、分野の相違を問わず、時間を惜しまず研究するのが信条。その開発のための奔走の結実として出会ったのが、「トレヒート」という新素材でした。



この素材、太陽の光エネルギーを吸収し、熱に変えてたくわえ、その保温性により心地よい暖かさが味わえる、まさに科学の力の賜物。これを使えば、究極の冬の作務衣ができるのでは…新素材を前に、スタッフが密かに悦に入ったのは言うまでもありません。



進化も遂にここまで…究極の「暖の作務衣」が完成



そしてこのたび、完成の日の目を見た、和の装いと現代科学の結晶とも呼ぶべき新作は、野暮な重ね着など決してさせない、まさに「暖の作務衣」。



新素材により作務衣の中の温度が高まり、常にぽかぽかと暖かいことはもちろん、原綿練り込み方式と呼ばれる織りによって、冬場に付き物の嫌な静電気も防止し、しかも自宅での洗濯も遠慮なくしていただけます。



さらに優れた抗ピル性で毛玉を防止し、いつまでも美しい外観を保てるという特徴もあり、いやはや当会の作務衣もここまで進化したかと、スタッフも感慨深げでありました。



想像を超えるその暖かさを、ぜひご体験下さい。

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97~98年の作務衣 , デニム&カジュアル作務衣

遠赤キルト作務衣 日和(えんせききるとさむえ ひより)


冬には冬を楽しむ作務衣をまといたい。



冷えるからといって作務衣はちょっと…などと言っているうちはまだまだ。寒い冬も作務衣を着る。これが作務衣党の心意気というものです。そんなとき活躍するのが、暖かい作務衣の代表格の一つ、キルト作務衣です。



部屋で暖をとるのもいいのですが、やはり四季を楽しむという作務衣の精神からすれば、思い切り障子を開け放ち、その季節をそのまま身体で受け止める気概を持ちたいもの。



キルト作務衣があれば、寒さを楽しむ余裕もできる…



そう、暖かいキルト作務衣があれば、北風を楽しむのも案外いいなぁ…と思えるものなのです。



綿100%の裏地の中に軽量のポリエステル綿をはさみこんで、肩から足首までしっかりと加工されたキルティングで寒風もなんのその。さらに新作は、暖かさ抜群の遠赤外線加工を施していますから、その抜群の保温性は推して知るべし…です。



また、帯電防止加工の裏地を使用しているため、この季節につきものの、あの嫌なパチパチ感がありません。寒い冬こそ、新作のキルト作務衣で行動的に!

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95~96年の作務衣 , デニム&カジュアル作務衣

キルト作務衣 鉄紺と羽織(きるとさむえ てっこんとはおり)


当会の発足とほぼ同時に開発され、冬の作務衣としてすっかり定番となってしまった「キルト作務衣」に待望の新作が登場しました。



表地に風合いの良い綿つむぎ、そして裏地は滑りの良いタフタ、この間にポリエステル綿をはさみこんで表から裏までを通して縦刺し。



つまり、従来のキルト作務衣とは違い、はっきりとキルティング加工を表面に見せ、それをデザイン化しています。縦刺しにより中綿がしっかり挟まれて暖かさもアップ。洗濯しても中綿の縮みはほとんどありません。



色は深みのある上品な鉄紺、縦は同色の糸で刺し、衿と肩、袖口は白の刺し糸。直線の組み合わせによるすっきりした刺し柄となっています。



重さやごわごわ感はまったくなく、むしろ、スマートで軽やかな感じのキルト作務衣に仕上がりました。

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91~92年の作務衣 , デニム&カジュアル作務衣

キルト作務衣 利休鼠、利休白茶(きるとさむえ りきゅうちゃ、りきゅうしらちゃ)


利休好みの彩り“ねずみ”をキルト作務衣に復元しました。



緑みを帯びた中明度の鼠色――新しいキルト作務衣の色合いは“利休鼠(りきゅうねずみ)”です。



端正で微妙なこの利休鼠の色調は、おなじみの“利休茶”と並んで「粋」好みの江戸人に愛好され、大変な人気を博したと言われています。明治後期になって、この鼠は流行色として再びスポットを浴びてきました。



北原白秋作詞の「城ケ崎の雨」という歌にも「利休鼠の雨が降る…」とうたわれていますので、ご存知の方も多いかも知れません。



草木染調の染液に漬けて染め上げた糸と本藍染の糸を使い、伝統的な交織技法で織り上げたこの古色の彩り。まさに「利休好み」と呼ぶにふさわしい色調です。



ぼてぼて、ごわごわ感なし。格調や渋さも楽しめます。

表地は、木綿100%。そして同じく木綿100%の裏地の中に軽量のポリエステル綿をはさみ込んでキルティング加工を施しています。つまり、昔で言うところの“綿入れ”という感じ。しかし、昔ながらの綿入れのような、重くてごわごわした感じはまったくありません。



作務衣は着たいけど冬の寒さがちょっと辛い…という方。ただ暖かいだけではなく、作務衣ならではの格調や渋さが楽しめる、嬉しい“冬の作務衣”です。

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91~92年の作務衣 , 袴&和服アンサンブル

高機能作務衣コート(こうきのうさむえこーと)


まさに、あり得るべきものでした。

当会でも、作務衣の開発を始めるにあたり、専用コートの要・不要は十分に議論を尽くしました。しかし、当時はまだ作務衣が特殊な装いであったこともあり、コートまでセットにするべきではないと判断したのです。



そして現在、すっかり大人となった作務衣は多くの人の暮らしに溶け込み、万人の認める装いとして愛用されるに至っています。



となれば、逆に作務衣のためのコートを発表しなければ、作務衣を愛用していただいている会員の方に礼を逸するのではないかと考えた次第です。



このコートを着用なさる方は、真に作務衣を理解され愛されている方ということ。誇りをもってお召し下さい。

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91~92年の作務衣 , 袴&和服アンサンブル

紳士 和装コート(しんし わそうこーと)


冬をお洒落に暖かく、お出かけ姿が一味違う。



作務衣に羽織るも良し、着物に重ねるも良し、びしっと決めて、もう一人のあなたを演出するこの「和装コート」が着実な人気を博しています。



特に、お正月は和服をお召しになる方が多いせいか、冬号には欠かせない一着。



このコートを着用することにより、和服ならではの様式美が決まってきます。

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91~92年の作務衣 , 袴&和服アンサンブル

正藍染インバネス 浪漫(しょうあいぞめいんばねす ろまん)


素材は、非常に高価で手に入りにくい剣道袴の最高級生地を仕様。色は、これまた武州が誇る正藍染と徹底的にこだわってみました。



写真でごらんになると、ちょっと重たさを感じられるかもしれませんが、実際に着用なさるとその軽さに驚かれるでしょう。また、袖がありませんので、実にラクに着られ、動きも自由自在。外套であることを忘れられてしまうほどです。



私どもでは、完成した作務衣はいずれも発表前にさまざまな層の方に実際に着ていただき、ご意見を賜っておりますが、このインバネスの試着は大変な反響を呼びました。



「懐かしいなぁ…」という声。「映画の主人公になったみたい」とか「かっこいい!」という声など、とにかく大評判。その場でゆずって欲しいとの声が続出したくらいです。



ご好評は嬉しいのですが、前述のように、形・素材・染めに徹底的にこだわり、縫製職人に音を上げさせたほどの労作。それ故に、残念ながら限定数での販売とさせていただきます。



どんな装いにもなぜかピタリと決まる!



作務衣の上にはもちろんですが、各写真のように、どんなお召し物にもなぜかピタリと決まってしまうのも、このインバネスの特徴。ですから年齢も問いません。



この冬、佳き時代の香りをいっぱいに、行き交う人たちの驚きの表情を存分に楽しんで闊歩してください。気分はもう、浪漫舞台の主人公――。



いま、古色蒼然が新しい。佳き時代の香りを秘めて、冬の冷気を蹴散らし歩く。気分は文士か、はたまた…まさに快感の一着。

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カタログ和服こぼれ話

インバネスについて


懐かしさに拍手、その新鮮さに歓声!試作段階から話題騒然――あの幻の外套<インバネス>が蘇りました。



いつものように開発会議。その日のテーマは「冬、作務衣の上にはおるコート」でした。

普通の和装コートでは知恵がない。では、どうする?座が静まり返った時、“長老”と呼ばれている一人が沈黙を破りました。



「インバネスはどうだろう?」



聞き慣れぬ言葉に百科辞典がめくられます。そして、そこに現れた左のような絵にスタッフ全員の目が吸い寄せられていったのです。



スコットランドで生まれ、欧米を席巻した外套(コート)



インバネスとは、19世紀中ごろ欧米で盛んに着用された外套のことで、スコットランドのネス川河口の町インバネスを発祥の地とするため、こう呼ばれるようになりました。

たけが長く、袖なしで取り外しのできるケープが身ごろについてきます。



日本でも、明治20年ごろに伝わり、大正、昭和の初期まで「とんび」あるいは「二重まわし」などと呼ばれ愛用されていました。現在では、その姿はまったく見ることができず、現存すら危ぶまれていました。



その軽さにビックリ、動きも自由自在!



しかし、この幻となった外套の復元には、その原型が何としても不可欠。四方八方に手を尽くしてやっと一着のインバネスを横浜のテーラー経由でお借りすることができました。



この貴重なインバネスを手本として、それを越えるレベルで復元したのが、ここにご紹介する「正藍染インバネス」なのです。

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97~98年の作務衣 , 染&織作務衣

本藍染刺子織作務衣 彩雲と羽織(ほんあいぞめさしこおりさむえ さいうんとはおり)


匠の技を着る。藍の空を彩る積雲の如き自由な意匠。



お待たせしました。八代目の新作のお披露目です。

伝統的な本藍染にしっくりと馴染んだグラデーション部分の切り替えしが、実にいい。まさに「彩雲」の名のごとく、藍色の空に優雅な彩りを描く雲のように、のびのびとした自由な雰囲気を醸し出しています。



織りは独特の凹凸が微妙な味わいを奏で、丈夫でコシの強い生地を生み出す刺子織。ですが、これがまた、八代目ならではの探究心とこだわりが活きているのです。



「彩雲」は大小の刺子を綿密な計算によって組み合わせており、伝統的な礎の中に施された、新鮮な色の配列や意匠は、見事な仕事と舌を巻くばかり。その味わいをより引き立てるために、ズボンはビシッと一色の刺し模様におさえました。



「これなら人前に出しても申し分ないだろう」という七代目のお墨付き。着て行く先々で満座の注目を集めること間違いなしの逸品です。
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甦る日本の和服 伝統技術と匠の技

本藍染刺子織作務衣 彩雲開発話


春眠暁を覚えず。かといって伝統芸術を着る会といたしましてはうたた寝している訳にはまいりません。新しい命が芽生える春を前に新作をと、スタッフ一同ねじり鉢巻で昨年より知恵を絞っていたところへ、嬉しいニュースが飛び込んできました。



一報の主は会員の方々にはおなじみの辻村染色七代目当主、辻村辰利さん。作務衣の専門館と呼ばれる当会の数ある作務衣の中でも名作との誉れ高い、あの刺子織作務衣「唐法師」を手がけた、当会きっての名匠です。



「息子が個展を開くことになってね。なかなかいいモノができてるんだ。ぜひ、見に来てよ」



息子さんとは八代目、辻村啓介さんのこと。七代目のもとで十二年、藍染修行を積み、襲名後は茶葉染作務衣を始め、独自の染や織りに挑んだ新しい感性の作務衣を創り、大好評を博している事はご存知の通り。



独自の道を切り開いてきた八代目の個展、しかもめったに息子を褒めない七代目のたっての誘い。これは!と弾む胸を抑えつつ駆けつけたのですが、作品を前にして、ときめきは高鳴るばかり。



どの作品も、伝統的な礎は残しつつ、若い斬新な感覚が盛り込まれており、特に意匠の面では僭越ながら七代目を超えたのではないかという声もチラホラ。会場を訪れた、染や織りに興味のある方々、和装のプロからも高い評価を得ていたのです。



早速、この意匠を活かした作務衣創りを八代目にお願いしたところ快諾を得て、ついに刺子織と藍染の魅力を存分に堪能できる5年振りの新作「本藍染刺子織作務衣・彩雲」が誕生しました。

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97~98年の作務衣 , 袴&和服アンサンブル

正絹黒刺子4点セット・正絹黒刺子袴(しょうけんくろざしこよんてんせっと・しょうけんくろざしこはかま)

初春の光の中に、袴姿で立つ。日本男児の誇りが五体を走る。



黒刺子作務衣を愛用なさっている岩田さんから、「黒刺子で袴を作ってもらえないだろうか。この生地の腰、手応えのある質感、貫禄のある風合い…どれをとっても袴の素材にぴったり。ぜひとも…」というお話を戴きました。



なるほど、とさっそく試作にとりかかり、出来上がった黒刺子の袴にスタッフ一同惚れ惚れしてしまいました。

岩田さんのおっしゃる通り、袴に仕立てた時の堂々たる風格は、黒刺子の魅力が一段と増して感じられるよう…羽織を合わせればなおさらです。岩田さんを始め、会員の皆様の感性、センスには、教えられることばかりです。



さっそく、黒刺子を作務衣と袴の両方でお楽しみ頂けるようセットを作りました。

なお、袴はお手持ちの作務衣の上着を組み合わせても、そのままお使い頂けるよう独自に工夫をしております。袴だけでもお求め頂けますので、すでに黒刺子作務衣をお持ちの方はもちろん、このお正月に袴をという方にもおすすめします。

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97~98年の作務衣 , 染&織作務衣

正絹刺子織作務衣 紫紺と羽織(しょうけんさしこおりさむえ しこんとはおり)


最高の「染」だから最高の素材と織で仕上げました。



最高の草木染を施すのだから、素材も織も高級のもので、紫紺染の魅力を余すところなく表現したい…。そう考えると素材はいうまでもなく「正絹」。そして織は、やはり「刺子織」になりました。



鮮やかな絹に浮かび上がる紫紺色。杜若(かきつばた)の花の色にも似た濃艶な赤みの紫が、刺子織により、さらに味わい深い光の表情を生み、まさに極上の布地に仕上がりました。



当然完成した作務衣は、「伝統芸術を着る会」の名にふさわしい、まさに珠玉の逸品となりました。写真をご覧頂くだけでも、袖を通す時のひんやりとした絹の感触、滑らかな肌触り、そして、この作務衣を纏う凛としたご自分の姿がきっとご想像いただけることと思います。



幻といわれた伝統の「紫紺染」を当会の心意気と技術で蘇らせた「正絹刺子織作務衣・紫紺」、この素晴らしさを是非、ご堪能下さい。



お手持ちの羽織では合わせきれません。やはり共布・同色でどうぞ。



絹刺子という特徴を持つ作務衣ですと、やはり、お手持ちの羽織では合わせきれません。共布・同色による羽織をぜひご着用下さい。

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甦る日本の和服 伝統技術と匠の技

幻の紫紺染(しこんぞめ)に挑む。


粋を極めた江戸紫…究極の草木染、遂に完成。選ばれたものだけが、纏うことを許された高貴な色。



当会ではここ数年、コーデュロイ作務衣に始まり、ジュンロン・スエードなど、新しい素材を用いた新作を次々に発表、作務衣の新たな可能性に挑戦してきましたが、やはり「伝統芸術を着る会」としましては、失われつつある古き佳きものに光を当て、現代に蘇らせるのが本領。



それを忘れていたわけではありません。その難しさから幻とまでいわれた究極の草木染「紫紺染」に挑み、密かに研究を重ねていたのです。



試行錯誤の末、この度遂に「紫紺染」による最も高貴な色「江戸紫」と呼ばれる深い紫の再現に成功いたしました。



「草木染」というと、渋い落ち着いた色という概念がありますが、草木染しかなかった平安時代でも、文献によりますと高貴な方の衣服に鮮やかな色のものが多く、金銭・労力をおしまず工夫すれば、鮮やかな草木染も可能だったということになります。

その代表的名ものがこの「紫紺染」なのです。



最も困難で最も高貴な「紫紺染」



紫紺は山野に自生する多年草、紫草の根で、植物染料での染色中最も難しいものとされています。



紫紺染の紫はシニコンという色素によるものですが、シニコンは冷水にほとんど溶けず、他の植物染料のように煮出すと緑黒色に分解してしまいます。



ですからまず石臼で挽き、摂氏60度以下の温湯で時間をかけて抽出しなければなりません。これに灰汁で処理した布を浸染し、繰り返し染めていきます。



また紫紺は、絹でなければ発色が悪く、綿ではその色が十分に出ないという特徴があります。



いくら良い色も染まっても、染色工程が複雑で手間がかかり、しかも絹でなければ鮮やかに色が出ないとなれば、一般の庶民がその色を手にできるはずもなく、聖徳太子の時代から冠位十二階で定められているように、紫紺染の紫が最も高貴な色とされてきたわけです。



また、伊勢皇大神宮の幕、宮中の儀式殿・斎殿の幕もこの紫紺染によるものです。

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97~98年の作務衣 , 染&織作務衣

綿刺子織作務衣(めんさしこおりさむえ)


発表と同時に大評判となった「正絹刺子織作務衣」。

この通称“絹ざしこ”の圧倒的な質感や存在感を「綿素材」で再現してもらえないだろうか…といった声が続々と寄せられています。



ただ、“絹ざしこ”が現実に人気商品として稼動しているのにいかがなものか――当会としても頭の痛いところでした。

しかし、限定品ならどうだろう。会員さんの要望でもあるし…との声もあり、特別に期間限定品として登場させていただくことになりました。



「正絹絹刺子織作務衣」と同様に、織りは同じ太さの糸で凹凸を付ける「崩し織刺子」という伝統の技法。柄も同じく小鹿の毛並み(斑点)を模した「鹿の子模様」。素材だけが上質の綿に変わります。



出来栄えはご覧の通り、質感のすばらしさは変わることがありません。

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95~96年の作務衣 , 染&織作務衣

正絹刺子織作務衣 黒刺子と羽織(しょうけんさしこおりさむえ くろざしことはおり)


着て誇らしく、人に見せたくなる一着。圧倒的な質感を持つ絹と刺子の組み合わせです。



皓々と照る月の輝き、歳月のつみ重ねが生み出す表情――。

「きぬ」と「さしこ」が個性を主張しながら、それぞれの良さを引き立たせている。響きも清冽な「きぬざしこ」。



シリーズ新作、二年越しの登場。これほどの一着があると、誰かに逢いたくなる。話したくなる。一献かたむけたくなる…秋の夜長が有難い。想いは、満ちて望月。



知人、友人、大切な人を客人として迎える時。また客として人を訪ねる時――この作務衣なら文句はないでしょう。人への想いを着るもので表す、こんな最上級の表現ができたらとても素敵だと思います。



一枚の作務衣が、人と人のコミュニケーションのかけ橋になる…こんな当会の夢が、いま着実に実現に向かって歩を進めています。
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カタログ和服こぼれ話 , 95~96年の作務衣

正絹刺子織作務衣 黒刺子開発話


もうすぐ100にも及ぼうかという作務衣を開発し、会員の皆様にご提供している当会のスタッフも、仕事を離れれば作務衣の好きな一人の人間。ですから好みもさまざま、作品の好き嫌いだってあるのです。



そんなスタッフが、こと「人に見せたい一着」という点に限れば、ほとんど意見を一致させる作務衣があります。



その一着というのが、一昨日の秋に開発した「絹刺子作務衣」です。華麗な絹の輝きに、刺子の存在感のある質感が交わったこの作務衣の風合いと表現力は圧倒的。スタッフはおろか、会員の皆様をも一様に唸らせたものでした。



絹と刺子がおたがいの良さを引き出しあう…



着て誇らしく、人に見せたくなる作務衣――これは「人と作務衣の関わり合いを考える」という照合のコンセプトを受けるに最もふさわしい一着ではないでしょうか。



というわけで、今回の巻頭を飾る新作は、絹と刺子の組み合わせ、これ以外にはない!と衆議一致を見ました。



色は、黒。といっても真っ黒ではありません。刺し模様の質感が微細な白と黒の世界を展望し、全体の色彩感としては、濃い鼠色を思わせます。まさに「黒刺子(くろざしこ)」。素直にこれを作品名として頂きました。



この彩りと質感を流麗に気高く包み込んでいるのが、絹ならではの輝き。なにしろ、刺子に織るため、通常の3割近くも多く使われている絹の光沢が刺子独特の凹凸を鮮やかに際立たせています。思わず触ってみたくなるこの質感――。



織りはもちろん刺し子織。通常の刺し子織は地布になる糸より刺子部分の糸の方が太くなりますが、この絹刺し子織は、同じ太さの糸で浮き織りにして凹凸をつけています。



これは「崩し織刺子」という伝統の技法。この刺し子織による質感が、逆に絹の輝き過ぎを抑え、総じて格調高さを生み出しています。絹と刺子がお互いにその良さを引き出し合っているということです。



本来的な意味からすれば、水と油に近い「絹」と「刺子」の組み合わせが、ここまで高い品質レベルで完成。まさに、人に見せたい一着です。

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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

絹刺子織 茶刺子羽織


作務衣にはもちろん、野袴にも“きぬざしこ”の羽織はよく似合う。



きぬざしこ――この響きの良さは、まさに風が運んだ玉の音。



絹と刺子を組み合わせるという発想は、当会だからこそできるものと自負しております。



素材は正絹100%、染めは樹木染。刺子で織ったため絹糸の量が増え、絹はその優雅な輝きだけではなく、質感の豊かさももたらしてくれました。



秋冬に着る絹の作務衣にふさわしい機能と趣を持った一着です。
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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

絹刺子織 茶刺子野袴(きぬざしこおり ちゃざしこのばかま)


質感に富んだ輝きと、清冽な響きが聞こえてくるような一着。



古装としての印象度が強い野袴は、まさに着用するだけで存在感が際立ちます。



その昔、武士たちが本袴を脱ぎ捨て心を解放させたこの野袴。きりっとひもを結べば、臍下丹田に活力湧き、野遊び、散策はまさに踏青の歓びを五体に走らせる――こんなイメージのある野袴が、この現代に新たな生命を宿しつつあることは実に興味深いものがあります。



…それだけに、何でもかんでも野袴に仕立てればいいという訳にはいきません。逆に、この野袴の開発は慎重に吟味を重ねたものでなくてはいけないと思っています。



そんな当会が、迷うことなう野袴への仕立てを決めたのが、「絹刺子」でした。清冽までの気高さと端正さ、そして剣道着などに通じる刺し子織――これを成さずして、何を野袴にすべきか!というくらいの確信のもとに、「絹刺子野袴」が誕生しました。



おかげさまで、この野袴が大好評。しかも、作務衣用の羽織を野袴に合わせたいとのご意向も多く、私どもの判断が間違いではなかったと安堵いたしました。



野袴気分――ぜひ一度味わっていただきたいものです。



一人で簡単に着られます。



前ひもを回して、後ろをツメで止め、あとは後ろひもを結ぶだけ。上着は通常の作務衣より約20センチほど長く仕上げてあります。

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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

絹刺子織作務衣 茶刺子(きぬざしこおりさむえ ちゃざしこ)


たっぷりと絹を使う、刺子織りならではの質感!



絹の糸を樹木染めで先染め。タテ糸とヨコ糸に濃淡をつけて刺し子織で織り上げます。糸の濃淡が交わった存在感のある風合いはなかなかのものです。



また、余計なことかもしれませんが、刺子で織ると糸の量が増えます。

今回の場合ですと、それだけ絹の使用量が増えるということ。そのことによって絹はその優雅な輝きだけでなく、質感の豊かさももたらしてくれるのです。



喜びも哀しみも、想いを連ねそのすべてを内に包み込んだ“きぬざしこ”。このように、言葉の響きやイメージからアプローチする作務衣づくりはこれからも続けていきたいと考えています。



なぜなら、そのイメージを表現するためには、さまざまな技法を駆使したり、大胆な組み合わせを考えたりする必要があり、そのことが作務衣づくりのレベルを高めることに結びつくと思うからです。



いろいろな意味を込めて、新しい作務衣づくりの第一弾として「絹刺子作務衣」を野袴と合わせてご呈示させていただきます。

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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

絹刺子織作務衣 茶刺子開発話


想いを連ねたら…こうなりました。秋の新作は、まさに珠玉の終結です。



恒例のスタッフ会議。テーマは、秋の新作をいかにするか――いつものことですが、春の盛りに秋の作務衣をどうするか想いをめぐらせるのです、アイディアに詰まったら、言葉の連想ゲームが始まります。



秋天、初紅葉、落穂、菊人形、熟柿、桐一葉…など、あたかも俳句歳時記を読んでいるように言葉が飛び交います。その時、ある女性スタッフが発した言葉に、席がシーンと静まり返りました。



澄んだ声で発した言葉、それが「きぬざしこ」でした。



何という響きの良さでしょう。耳から聞いた絹刺子ではなく、“きぬざしこ”でした。

スタッフ全員がこのようにひとつの言葉の響きに吸いつけられたケースは前代未聞。そして各人の頭の中で、その言葉のイメージはどんどん広がっていきました。



清冽なほどの気高さ、そのくせ、どこか素朴な…



広がったイメージを集約すると、“風が運んだ玉の音、月に照らされる輝き…”。その気高さ、端正さは清冽。そのくせ、どこか素朴で土の香りさえするようなイメージはとても奥深いものがあります。

秋の新作テーマは異存なし、満場一致でこの“きぬざしこ”に決定しました。



文字通り、絹の刺子です。優雅さの象徴ともいえる“絹”と、貧しさ故の工夫から生まれた“刺子”の技法が四つに組む訳で、この組み合わせもさまざまな思いが連なって何ともいえぬ趣があります。



素材は正絹100%の刺し子織。その架け橋となる染めは樹木染めを採用します。

万葉百彩シリーズのひとつとして開発した樹木染めは、その自然感覚も時流に合って、今や人気の高い染め技法。しかも、ここにきて染めに濃淡が出せるようになったこともあり、今回の色染めの役割を負うことになりました。
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91~92年の作務衣 , 染&織作務衣

刺子織献上柄羽織(さしこおりけんじょうがらはおり)


渾身の一着。



「少し派手になり過ぎるのでは?」との不安は見た途端に吹き飛びました。



七代目からの「総献上柄の羽織をつくる!」という自信満々の提案。



腰が引けながらも首をタテに振った結果が、この出来栄え。

派手どころか、実に気高く、落ち着いた風格で決まっています。どんな作務衣にもぴたり。



あらためて、七代目のセンスの良さには脱帽です。
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91~92年の作務衣 , 染&織作務衣

刺子織羽織(さしこおりはおり)


先般、刺子織作務衣を発表しました折、多数の会員の皆様から「何故羽織がないのか!」という叱責を頂戴いたしました。

もちろん、当会としても羽織の品揃えは当初から頭にあったのですが、本体の作務衣が予想をはるかに上回る評判。加えて七代目の丹念な仕事ぶりも合わせて、つい機を逸してしまったという次第です。



これではならじとフル回転で品揃え。刺子織羽織の登場となりました。写真のような仕上がり、いかがでしょうか。確かに皆様からのご指摘のように、羽織を一枚合わせるだけでグンと格調が増し作務衣本体がいっそう引き立ちます。



素材、織り、色、すべて作務衣と同じ。ただ「丁字雲」「唐法師」に付けていました柄は、羽織の特性、袖なしの陣羽羽織型を考えて無しとしました。



裏地はごらんのように藍と対をなすことで気品が増す明るい“ねずみ色”。霜ふり風に模様をつけ動きを出してみました。もちろん、表はすべて刺し模様です。
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甦る日本の和服 伝統技術と匠の技

七代目辻村染織再び(2)

「日本人は刺子が好きなんだね。頑張り甲斐があるよ」



「で、これは私からお宅に申し出たいんだが、刺子織の“はんてん”をやってみたいんだよ。刺子織にはぴったりだと思うんだ。作務衣の上から羽織ってもいいし、ジーンズにも合うと思うよ」



と膝を乗り出す。てんてこまいで参ったね――などと言いながら、作品のイメージがわいたらとことんノリまくる。代々受け継いだ職人気質にどうやら灯がともったようだ。



「今回の新作には気が入ってる。期待してもらっていいと思うよ」



前回お会いした七代目が職人らしからぬ柔和さを見せたのに対し、今回の七代目は意欲が前面に出てきているように感じた。



「お宅の会員さんはレベルが高いから、ヘタ打てないんだよ。ま、一枚一枚心を込めてやるしかないね」と七代目はキッパリ。小柄な体を駆使して藍ガメをかきまわす姿からは、話をしている時とはまるで違う雰囲気が伝わってくる。



「前回は前回。やっぱり新作を送り出す時は心配なもの。今回も、一枚でも着てもらえれば、私は嬉しいね」



出た、七代目の名セリフ。でも今回は、七代目は最後まで目を伏せなかった。

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甦る日本の和服 伝統技術と匠の技

七代目辻村染織再び(1)


「ずいぶん忙しくなっちまったね。でも、わしのペースでやるだけさ…」



「一枚でも着てもらえば、私は嬉しいね」――前回、初めてお訪ねした時に七代目がボソッと呟いた最後の言葉がこれであった。



あにはからんや、七代目の予想(?)は見事に外れ、刺子織作務衣三点は発表と同時に大変な反響。予定した枚数はあっという間に売り切れ、追加、追加でてんてこまいという状況が生まれてしまった。一年経過した現在、新作準備中の七代目を訪ねてみて、その近状などを報告してみたい。



「羽織は悪いことした。でも、そのぶん今回はもっと頑張るからね」



やはり、てんてこまいであった。しかし、目は笑っている。やあ、と手を上げて、しばしお茶の時間となる。



「いやあ参ったよ。こんなに仕事したのは何年ぶり…いや何十年ぶりかねぇ」

と手を見せる。ツメの間まで藍に染まっている。こちらとしても想像以上の反応で驚いていることを伝え、やはりモノが良いと売れますね――と水を向ける。途端に照れてしまう七代目、変わっていない。



「まあ…というよりも珍しかったからじゃないかね。刺子の作務衣ってのがさ…」

ところで、会員の方から“羽織”が矢の催促なんですけど――。



「あ、それそれ。悪いことしたね。すぐにやっちまうはずだったんだが、作務衣の方に追われてしまって。いくら忙しいからって、一枚一枚手を抜くことはできないしな、ついつい後回しになってしまったんだよ。でも、今回は大丈夫。必ず間に合わせるから…」

とのこと。刺子織の羽織を待ち望んでいる方へよろしくと七代目からの伝言である。



「しかし、ちょっと裏地が気に入らなくて、もう少し試作してみようかとも思っているんだ」

これが名人気質というものか。刺子織羽織も期待が持てそうだ。

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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

京都刺子織作務衣 蓬(きょうとさしこおりさむえ よもぎ)


秋号にて初めてご紹介した「柿渋」が大変な話題となった“京都”の作務衣。さて、この春号にはどんな作品が送られてくるか、私どもも首を長くして待っていました。



蓬(よもぎ)――でした。奇をてらうことなく堂々と季節の彩りでした。素材は綿に麻混。京都の盆地に吹き込む春から初夏にかけての風が感じられる彩りと素材、さすがです。



最初は少し奇異に見えた“はかま”感覚で着る、いわゆる京都式の仕立ても大好評。もちろん、上着を出せば、他と変わらぬ作務衣すがたが得られます。



京都作務衣の特色は、都会派ともいうべき小粋さや新和風と呼ぶにふさわしい機能性の数々。あでやかで新しもの好きだったといわれる平安京――千二百年を迎える現在でも、その伝統は脈々と生きているようです。
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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

京都刺子織作務衣 柿渋(きょうとさしこおりさむえ かきしぶ)


京都・西陣からやってきた新感覚の作務衣。二通りの着方も新鮮。



さまざまな本格的作務衣を開発し、普及活動を続けている当会には、全国か種々の情報が寄せられます。特に、最近はいわゆる業界からのそれが多くなってきました。

「こんな作務衣はいかがでしょう?」という類のお問い合わせも度々ありますが、いまひとつ私どもの胸をときめかすような作品にはめぐり合うことができずに過ぎてまいりました。



そんな折、京都は西陣。百年以上も続いている老舗から――。

「お宅さまの会員の方に、ぜひこの作務衣をご紹介いただければ…」という丁寧な挨拶と共に、一着の作務衣が呈示されました。



青柿からしぼった染液、まさに草木染めの極致!



スタッフの間から思わずため息が漏れました。質感も鮮やかな刺子織。西ケ崎七代目の刺子織が“素朴”なら、京都はまさに“都会派”といえましょう。そして、この作務衣の大きな特色は、その染めにあります。



名前にもなっている柿渋染め。これは、青柿をつぶし、しぼり採った汁を酵母の培養樽に入れて発酵させます。この原液を二年ほど寝かせた柿渋汁は深く熟した色を帯び、天然の色を醸し出します。この液に何回となくつけて染め上げた糸で織った布地は、自然との調和の中で、時と共に深い味わいのある彩りに変化してゆきます。まさに草木染めの極致といえましょう。



洗練されたエスプリが満喫できるニュー作務衣



もうひとつの特徴。それは、写真でお分かりのように、二通りの着方ができる機能性にあります。



上着を着流せば、いわゆる作務衣姿。さらに、はかま感覚のヒモ構造になっているので写真のように活動的で現代的なシルエットも得られます。裾のヒモも好みで締めたり開いたり。とにかく、新和風と呼ぶにふさわしいニュー作務衣。徳利のセーターやハイネックのTシャツなどとあわせてご着用になれば、洗練されたエスプリが満喫できます。



できる限り当会のオリジナル性を大切にしてきましたが、この京都・西陣からやってきた作務衣には、正直なところ脱帽。その色合いといい風合いといい、そのクオリティの高さには関心させられました。



古き佳き作務衣が、今まさに新感覚と共に時代の壁をひとつ乗り越えた――と感じるのは私どもだけでしょうか。



大人気の「柿渋」をはじめとして、好みに応じて「銀鼠(ぎんねず)」「藍(あい)」の3色をご用意しております。

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◆年代で見る和服「作務衣」 , カタログ和服こぼれ話

布を刺す。刺子織りの話。(3)


色刺しや伊達刺しも現れ、その服飾美に大きな注目が――



明治に入ると木綿の着用が認められ、刺し糸が白い綿糸に変り、模様がさらに鮮やかに映えるようになります。



この頃から、刺子は実用性より服飾美が注目されるようになったのです。そして鉄道の普及が、刺子の役割に終わりを告げました。



しかし、この北国に芽生えた刺子の素朴さや美しさや滅びることなく現代まで伝えられてきました。



それは単なる模様ではなく、それに込められた“生きる歓び”や刺し続ける乙女たちの心の輝きが万人の胸を打つからに他ならないからでしょう。



この刺し手法は北国以外でも古くから見られます。例えば、江戸中期に「鳶、人足、火消しは必ず刺す」と決めがあったとか。

火消し装束などは、いわゆる半纏刺しとしてあまりにも有名。色刺しや伊達刺しの傾向もすでに現れています。



合理的な刺子織の開発と進歩で、その情緒を楽しむ。



衣服の材料が溢れんばかりに豊富な現代。皮肉にも、切ない想いから生まれた刺子模様が大変に注目を集めています。実用性を重視した武道着はともかく、ファッションとして幅広く取り入れられているようです。



合理性の面から、一針ずつの刺し手法ではなく、いわゆる刺子織りの技術も開発されました。

その良否はともかく、現在では手軽にこの刺子の風情が楽しめるようになったのです。



貧しさを見事な知恵で着る歓びに変えた先人たちの心を、受け止めてみたいものです。
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カタログ和服こぼれ話

布を刺す。刺子織りの話。(2)


衣服の補強と保温。刺子のはじまりは、なぜか悲しい…。



その昔、木綿は大変貴重な素材でした。特に綿の栽培が出来なかった東北の地においては、百姓農民が木綿を衣服として着用することは藩令によって禁止され、もっぱら麻地を着用していたとされています。



夏はともかく、寒さ厳しい北国の冬を麻の着物で越すのはちょっと無理。そこで衣服の補強と保温を図るために、麻の白糸で布目を一面に刺して塞いだのが刺子のはじまりだったのです。



それがいつの頃だったか、これも定かではありませんが、津軽藩江戸定府の士、比良野貞彦が天明八年に著した「奥民図集」に、



『布を糸にてさまざまの模様を刺すなり。甚見事なり。男女共に着す。多くは紺地に白き糸を以って刺す』



と記してあることから、この時代にはすでに刺子の手法は確立していたと思われます。



農家の娘は、五歳になると針を持たされ、母親と共に毎日のように刺し続けます。やがて嫁に行き、生まれた娘へ…とこの手法は代々継承されていったのです。



身近な自然風土をテーマにした模様は、鮮烈で感動的――



囲炉裏を囲んで黙々と刺し続けるこの“仕事”の中で、娘たちはただ単に実用という目的以外に、飾る歓びを見つけ出します。それが、実に見事な刺子模様を生み出していったのです。



現存する模様を見て見ますと、その発想は身近な自然の風土から生まれているのがよく分かります。猫の目・豆っこ・花・竹・石だたみ…などと独創性豊かに刺されていて、その素朴さとエスプリには感動を覚えるほど。



藍地に白のコントラストは実に端正で、怠惰な飾り立てに飽きた現代人の感覚に鮮烈に訴えるものがあります。

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◆年代で見る和服「作務衣」 , カタログ和服こぼれ話

布を刺す。刺子織りの話。(1)


雪深い北国に咲いた白い花――素朴にして端正な“刺子模様”



炉端に座った母と娘が黙々と針を使っています。鉄びんがチンチンと鳴り湯気がゆらゆらと立ちのぼっています。雪はしんしん、外は一面の銀世界。時間が静かに流れてゆき、母親の手元では、藍地に白い花が咲こうとしています…。



こんな光景が時を越えて目に浮かんできます。今回は、雪深い北国から生まれた、質素で素朴でありながら端正な輝きを見る人に与えてくれる“刺子(さしこ)”という技法についてお話しましょう。



刺子とは、簡単に言えば布地に補強、保温、装飾を加えるために刺し縫いをすることです。

衣服に刺しを施す手法は全国各地で見られるもので、その発祥は定かではありません。



しかし、最も古いとされ有名なのは、藍染の麻地に巧みな刺し模様を配し、他の地方では見られない独自の服飾美を築き上げた<津軽こぎん>が上げられます。

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