日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」

日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」は「作務衣の専門館『伝統芸術を着る会』」によって運営されているウェブサイトです。
99~00年の作務衣 , デニム&カジュアル作務衣

あったか作務衣 暖(あったかさむえ だん)


新素材の蓄熱効果で常に抜群の暖かさ



作務衣の進化の役に立つものであれば、森羅万象のあらゆる垣根を越えて探し求め、採り入れることを指標とした「作務衣進化論」。それは私どもが作務衣の開発に着手する際の大きな基本理念のひとつです。



「冬には冬の作務衣を」というテーマが掲げられれば、洋の東西、歴史の古今、分野の相違を問わず、時間を惜しまず研究するのが信条。その開発のための奔走の結実として出会ったのが、「トレヒート」という新素材でした。



この素材、太陽の光エネルギーを吸収し、熱に変えてたくわえ、その保温性により心地よい暖かさが味わえる、まさに科学の力の賜物。これを使えば、究極の冬の作務衣ができるのでは…新素材を前に、スタッフが密かに悦に入ったのは言うまでもありません。



進化も遂にここまで…究極の「暖の作務衣」が完成



そしてこのたび、完成の日の目を見た、和の装いと現代科学の結晶とも呼ぶべき新作は、野暮な重ね着など決してさせない、まさに「暖の作務衣」。



新素材により作務衣の中の温度が高まり、常にぽかぽかと暖かいことはもちろん、原綿練り込み方式と呼ばれる織りによって、冬場に付き物の嫌な静電気も防止し、しかも自宅での洗濯も遠慮なくしていただけます。



さらに優れた抗ピル性で毛玉を防止し、いつまでも美しい外観を保てるという特徴もあり、いやはや当会の作務衣もここまで進化したかと、スタッフも感慨深げでありました。



想像を超えるその暖かさを、ぜひご体験下さい。

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97~98年の作務衣 , デニム&カジュアル作務衣

遠赤キルト作務衣 日和(えんせききるとさむえ ひより)


冬には冬を楽しむ作務衣をまといたい。



冷えるからといって作務衣はちょっと…などと言っているうちはまだまだ。寒い冬も作務衣を着る。これが作務衣党の心意気というものです。そんなとき活躍するのが、暖かい作務衣の代表格の一つ、キルト作務衣です。



部屋で暖をとるのもいいのですが、やはり四季を楽しむという作務衣の精神からすれば、思い切り障子を開け放ち、その季節をそのまま身体で受け止める気概を持ちたいもの。



キルト作務衣があれば、寒さを楽しむ余裕もできる…



そう、暖かいキルト作務衣があれば、北風を楽しむのも案外いいなぁ…と思えるものなのです。



綿100%の裏地の中に軽量のポリエステル綿をはさみこんで、肩から足首までしっかりと加工されたキルティングで寒風もなんのその。さらに新作は、暖かさ抜群の遠赤外線加工を施していますから、その抜群の保温性は推して知るべし…です。



また、帯電防止加工の裏地を使用しているため、この季節につきものの、あの嫌なパチパチ感がありません。寒い冬こそ、新作のキルト作務衣で行動的に!

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95~96年の作務衣 , デニム&カジュアル作務衣

キルト作務衣 鉄紺と羽織(きるとさむえ てっこんとはおり)


当会の発足とほぼ同時に開発され、冬の作務衣としてすっかり定番となってしまった「キルト作務衣」に待望の新作が登場しました。



表地に風合いの良い綿つむぎ、そして裏地は滑りの良いタフタ、この間にポリエステル綿をはさみこんで表から裏までを通して縦刺し。



つまり、従来のキルト作務衣とは違い、はっきりとキルティング加工を表面に見せ、それをデザイン化しています。縦刺しにより中綿がしっかり挟まれて暖かさもアップ。洗濯しても中綿の縮みはほとんどありません。



色は深みのある上品な鉄紺、縦は同色の糸で刺し、衿と肩、袖口は白の刺し糸。直線の組み合わせによるすっきりした刺し柄となっています。



重さやごわごわ感はまったくなく、むしろ、スマートで軽やかな感じのキルト作務衣に仕上がりました。

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91~92年の作務衣 , デニム&カジュアル作務衣

キルト作務衣 利休鼠、利休白茶(きるとさむえ りきゅうちゃ、りきゅうしらちゃ)


利休好みの彩り“ねずみ”をキルト作務衣に復元しました。



緑みを帯びた中明度の鼠色――新しいキルト作務衣の色合いは“利休鼠(りきゅうねずみ)”です。



端正で微妙なこの利休鼠の色調は、おなじみの“利休茶”と並んで「粋」好みの江戸人に愛好され、大変な人気を博したと言われています。明治後期になって、この鼠は流行色として再びスポットを浴びてきました。



北原白秋作詞の「城ケ崎の雨」という歌にも「利休鼠の雨が降る…」とうたわれていますので、ご存知の方も多いかも知れません。



草木染調の染液に漬けて染め上げた糸と本藍染の糸を使い、伝統的な交織技法で織り上げたこの古色の彩り。まさに「利休好み」と呼ぶにふさわしい色調です。



ぼてぼて、ごわごわ感なし。格調や渋さも楽しめます。

表地は、木綿100%。そして同じく木綿100%の裏地の中に軽量のポリエステル綿をはさみ込んでキルティング加工を施しています。つまり、昔で言うところの“綿入れ”という感じ。しかし、昔ながらの綿入れのような、重くてごわごわした感じはまったくありません。



作務衣は着たいけど冬の寒さがちょっと辛い…という方。ただ暖かいだけではなく、作務衣ならではの格調や渋さが楽しめる、嬉しい“冬の作務衣”です。

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91~92年の作務衣 , 袴&和服アンサンブル

高機能作務衣コート(こうきのうさむえこーと)


まさに、あり得るべきものでした。

当会でも、作務衣の開発を始めるにあたり、専用コートの要・不要は十分に議論を尽くしました。しかし、当時はまだ作務衣が特殊な装いであったこともあり、コートまでセットにするべきではないと判断したのです。



そして現在、すっかり大人となった作務衣は多くの人の暮らしに溶け込み、万人の認める装いとして愛用されるに至っています。



となれば、逆に作務衣のためのコートを発表しなければ、作務衣を愛用していただいている会員の方に礼を逸するのではないかと考えた次第です。



このコートを着用なさる方は、真に作務衣を理解され愛されている方ということ。誇りをもってお召し下さい。

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91~92年の作務衣 , 袴&和服アンサンブル

紳士 和装コート(しんし わそうこーと)


冬をお洒落に暖かく、お出かけ姿が一味違う。



作務衣に羽織るも良し、着物に重ねるも良し、びしっと決めて、もう一人のあなたを演出するこの「和装コート」が着実な人気を博しています。



特に、お正月は和服をお召しになる方が多いせいか、冬号には欠かせない一着。



このコートを着用することにより、和服ならではの様式美が決まってきます。

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91~92年の作務衣 , 袴&和服アンサンブル

正藍染インバネス 浪漫(しょうあいぞめいんばねす ろまん)


素材は、非常に高価で手に入りにくい剣道袴の最高級生地を仕様。色は、これまた武州が誇る正藍染と徹底的にこだわってみました。



写真でごらんになると、ちょっと重たさを感じられるかもしれませんが、実際に着用なさるとその軽さに驚かれるでしょう。また、袖がありませんので、実にラクに着られ、動きも自由自在。外套であることを忘れられてしまうほどです。



私どもでは、完成した作務衣はいずれも発表前にさまざまな層の方に実際に着ていただき、ご意見を賜っておりますが、このインバネスの試着は大変な反響を呼びました。



「懐かしいなぁ…」という声。「映画の主人公になったみたい」とか「かっこいい!」という声など、とにかく大評判。その場でゆずって欲しいとの声が続出したくらいです。



ご好評は嬉しいのですが、前述のように、形・素材・染めに徹底的にこだわり、縫製職人に音を上げさせたほどの労作。それ故に、残念ながら限定数での販売とさせていただきます。



どんな装いにもなぜかピタリと決まる!



作務衣の上にはもちろんですが、各写真のように、どんなお召し物にもなぜかピタリと決まってしまうのも、このインバネスの特徴。ですから年齢も問いません。



この冬、佳き時代の香りをいっぱいに、行き交う人たちの驚きの表情を存分に楽しんで闊歩してください。気分はもう、浪漫舞台の主人公――。



いま、古色蒼然が新しい。佳き時代の香りを秘めて、冬の冷気を蹴散らし歩く。気分は文士か、はたまた…まさに快感の一着。

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97~98年の作務衣 , 染&織作務衣

本藍染刺子織作務衣 彩雲と羽織(ほんあいぞめさしこおりさむえ さいうんとはおり)


匠の技を着る。藍の空を彩る積雲の如き自由な意匠。



お待たせしました。八代目の新作のお披露目です。

伝統的な本藍染にしっくりと馴染んだグラデーション部分の切り替えしが、実にいい。まさに「彩雲」の名のごとく、藍色の空に優雅な彩りを描く雲のように、のびのびとした自由な雰囲気を醸し出しています。



織りは独特の凹凸が微妙な味わいを奏で、丈夫でコシの強い生地を生み出す刺子織。ですが、これがまた、八代目ならではの探究心とこだわりが活きているのです。



「彩雲」は大小の刺子を綿密な計算によって組み合わせており、伝統的な礎の中に施された、新鮮な色の配列や意匠は、見事な仕事と舌を巻くばかり。その味わいをより引き立てるために、ズボンはビシッと一色の刺し模様におさえました。



「これなら人前に出しても申し分ないだろう」という七代目のお墨付き。着て行く先々で満座の注目を集めること間違いなしの逸品です。
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97~98年の作務衣 , 袴&和服アンサンブル

正絹黒刺子4点セット・正絹黒刺子袴(しょうけんくろざしこよんてんせっと・しょうけんくろざしこはかま)

初春の光の中に、袴姿で立つ。日本男児の誇りが五体を走る。



黒刺子作務衣を愛用なさっている岩田さんから、「黒刺子で袴を作ってもらえないだろうか。この生地の腰、手応えのある質感、貫禄のある風合い…どれをとっても袴の素材にぴったり。ぜひとも…」というお話を戴きました。



なるほど、とさっそく試作にとりかかり、出来上がった黒刺子の袴にスタッフ一同惚れ惚れしてしまいました。

岩田さんのおっしゃる通り、袴に仕立てた時の堂々たる風格は、黒刺子の魅力が一段と増して感じられるよう…羽織を合わせればなおさらです。岩田さんを始め、会員の皆様の感性、センスには、教えられることばかりです。



さっそく、黒刺子を作務衣と袴の両方でお楽しみ頂けるようセットを作りました。

なお、袴はお手持ちの作務衣の上着を組み合わせても、そのままお使い頂けるよう独自に工夫をしております。袴だけでもお求め頂けますので、すでに黒刺子作務衣をお持ちの方はもちろん、このお正月に袴をという方にもおすすめします。

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97~98年の作務衣 , 染&織作務衣

正絹刺子織作務衣 紫紺と羽織(しょうけんさしこおりさむえ しこんとはおり)


最高の「染」だから最高の素材と織で仕上げました。



最高の草木染を施すのだから、素材も織も高級のもので、紫紺染の魅力を余すところなく表現したい…。そう考えると素材はいうまでもなく「正絹」。そして織は、やはり「刺子織」になりました。



鮮やかな絹に浮かび上がる紫紺色。杜若(かきつばた)の花の色にも似た濃艶な赤みの紫が、刺子織により、さらに味わい深い光の表情を生み、まさに極上の布地に仕上がりました。



当然完成した作務衣は、「伝統芸術を着る会」の名にふさわしい、まさに珠玉の逸品となりました。写真をご覧頂くだけでも、袖を通す時のひんやりとした絹の感触、滑らかな肌触り、そして、この作務衣を纏う凛としたご自分の姿がきっとご想像いただけることと思います。



幻といわれた伝統の「紫紺染」を当会の心意気と技術で蘇らせた「正絹刺子織作務衣・紫紺」、この素晴らしさを是非、ご堪能下さい。



お手持ちの羽織では合わせきれません。やはり共布・同色でどうぞ。



絹刺子という特徴を持つ作務衣ですと、やはり、お手持ちの羽織では合わせきれません。共布・同色による羽織をぜひご着用下さい。

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97~98年の作務衣 , 染&織作務衣

綿刺子織作務衣(めんさしこおりさむえ)


発表と同時に大評判となった「正絹刺子織作務衣」。

この通称“絹ざしこ”の圧倒的な質感や存在感を「綿素材」で再現してもらえないだろうか…といった声が続々と寄せられています。



ただ、“絹ざしこ”が現実に人気商品として稼動しているのにいかがなものか――当会としても頭の痛いところでした。

しかし、限定品ならどうだろう。会員さんの要望でもあるし…との声もあり、特別に期間限定品として登場させていただくことになりました。



「正絹絹刺子織作務衣」と同様に、織りは同じ太さの糸で凹凸を付ける「崩し織刺子」という伝統の技法。柄も同じく小鹿の毛並み(斑点)を模した「鹿の子模様」。素材だけが上質の綿に変わります。



出来栄えはご覧の通り、質感のすばらしさは変わることがありません。

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95~96年の作務衣 , 染&織作務衣

正絹刺子織作務衣 黒刺子と羽織(しょうけんさしこおりさむえ くろざしことはおり)


着て誇らしく、人に見せたくなる一着。圧倒的な質感を持つ絹と刺子の組み合わせです。



皓々と照る月の輝き、歳月のつみ重ねが生み出す表情――。

「きぬ」と「さしこ」が個性を主張しながら、それぞれの良さを引き立たせている。響きも清冽な「きぬざしこ」。



シリーズ新作、二年越しの登場。これほどの一着があると、誰かに逢いたくなる。話したくなる。一献かたむけたくなる…秋の夜長が有難い。想いは、満ちて望月。



知人、友人、大切な人を客人として迎える時。また客として人を訪ねる時――この作務衣なら文句はないでしょう。人への想いを着るもので表す、こんな最上級の表現ができたらとても素敵だと思います。



一枚の作務衣が、人と人のコミュニケーションのかけ橋になる…こんな当会の夢が、いま着実に実現に向かって歩を進めています。
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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

絹刺子織 茶刺子羽織


作務衣にはもちろん、野袴にも“きぬざしこ”の羽織はよく似合う。



きぬざしこ――この響きの良さは、まさに風が運んだ玉の音。



絹と刺子を組み合わせるという発想は、当会だからこそできるものと自負しております。



素材は正絹100%、染めは樹木染。刺子で織ったため絹糸の量が増え、絹はその優雅な輝きだけではなく、質感の豊かさももたらしてくれました。



秋冬に着る絹の作務衣にふさわしい機能と趣を持った一着です。
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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

絹刺子織 茶刺子野袴(きぬざしこおり ちゃざしこのばかま)


質感に富んだ輝きと、清冽な響きが聞こえてくるような一着。



古装としての印象度が強い野袴は、まさに着用するだけで存在感が際立ちます。



その昔、武士たちが本袴を脱ぎ捨て心を解放させたこの野袴。きりっとひもを結べば、臍下丹田に活力湧き、野遊び、散策はまさに踏青の歓びを五体に走らせる――こんなイメージのある野袴が、この現代に新たな生命を宿しつつあることは実に興味深いものがあります。



…それだけに、何でもかんでも野袴に仕立てればいいという訳にはいきません。逆に、この野袴の開発は慎重に吟味を重ねたものでなくてはいけないと思っています。



そんな当会が、迷うことなう野袴への仕立てを決めたのが、「絹刺子」でした。清冽までの気高さと端正さ、そして剣道着などに通じる刺し子織――これを成さずして、何を野袴にすべきか!というくらいの確信のもとに、「絹刺子野袴」が誕生しました。



おかげさまで、この野袴が大好評。しかも、作務衣用の羽織を野袴に合わせたいとのご意向も多く、私どもの判断が間違いではなかったと安堵いたしました。



野袴気分――ぜひ一度味わっていただきたいものです。



一人で簡単に着られます。



前ひもを回して、後ろをツメで止め、あとは後ろひもを結ぶだけ。上着は通常の作務衣より約20センチほど長く仕上げてあります。

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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

絹刺子織作務衣 茶刺子(きぬざしこおりさむえ ちゃざしこ)


たっぷりと絹を使う、刺子織りならではの質感!



絹の糸を樹木染めで先染め。タテ糸とヨコ糸に濃淡をつけて刺し子織で織り上げます。糸の濃淡が交わった存在感のある風合いはなかなかのものです。



また、余計なことかもしれませんが、刺子で織ると糸の量が増えます。

今回の場合ですと、それだけ絹の使用量が増えるということ。そのことによって絹はその優雅な輝きだけでなく、質感の豊かさももたらしてくれるのです。



喜びも哀しみも、想いを連ねそのすべてを内に包み込んだ“きぬざしこ”。このように、言葉の響きやイメージからアプローチする作務衣づくりはこれからも続けていきたいと考えています。



なぜなら、そのイメージを表現するためには、さまざまな技法を駆使したり、大胆な組み合わせを考えたりする必要があり、そのことが作務衣づくりのレベルを高めることに結びつくと思うからです。



いろいろな意味を込めて、新しい作務衣づくりの第一弾として「絹刺子作務衣」を野袴と合わせてご呈示させていただきます。

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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

絹刺子織作務衣 茶刺子開発話


想いを連ねたら…こうなりました。秋の新作は、まさに珠玉の終結です。



恒例のスタッフ会議。テーマは、秋の新作をいかにするか――いつものことですが、春の盛りに秋の作務衣をどうするか想いをめぐらせるのです、アイディアに詰まったら、言葉の連想ゲームが始まります。



秋天、初紅葉、落穂、菊人形、熟柿、桐一葉…など、あたかも俳句歳時記を読んでいるように言葉が飛び交います。その時、ある女性スタッフが発した言葉に、席がシーンと静まり返りました。



澄んだ声で発した言葉、それが「きぬざしこ」でした。



何という響きの良さでしょう。耳から聞いた絹刺子ではなく、“きぬざしこ”でした。

スタッフ全員がこのようにひとつの言葉の響きに吸いつけられたケースは前代未聞。そして各人の頭の中で、その言葉のイメージはどんどん広がっていきました。



清冽なほどの気高さ、そのくせ、どこか素朴な…



広がったイメージを集約すると、“風が運んだ玉の音、月に照らされる輝き…”。その気高さ、端正さは清冽。そのくせ、どこか素朴で土の香りさえするようなイメージはとても奥深いものがあります。

秋の新作テーマは異存なし、満場一致でこの“きぬざしこ”に決定しました。



文字通り、絹の刺子です。優雅さの象徴ともいえる“絹”と、貧しさ故の工夫から生まれた“刺子”の技法が四つに組む訳で、この組み合わせもさまざまな思いが連なって何ともいえぬ趣があります。



素材は正絹100%の刺し子織。その架け橋となる染めは樹木染めを採用します。

万葉百彩シリーズのひとつとして開発した樹木染めは、その自然感覚も時流に合って、今や人気の高い染め技法。しかも、ここにきて染めに濃淡が出せるようになったこともあり、今回の色染めの役割を負うことになりました。
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91~92年の作務衣 , 染&織作務衣

刺子織献上柄羽織(さしこおりけんじょうがらはおり)


渾身の一着。



「少し派手になり過ぎるのでは?」との不安は見た途端に吹き飛びました。



七代目からの「総献上柄の羽織をつくる!」という自信満々の提案。



腰が引けながらも首をタテに振った結果が、この出来栄え。

派手どころか、実に気高く、落ち着いた風格で決まっています。どんな作務衣にもぴたり。



あらためて、七代目のセンスの良さには脱帽です。
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91~92年の作務衣 , 染&織作務衣

刺子織羽織(さしこおりはおり)


先般、刺子織作務衣を発表しました折、多数の会員の皆様から「何故羽織がないのか!」という叱責を頂戴いたしました。

もちろん、当会としても羽織の品揃えは当初から頭にあったのですが、本体の作務衣が予想をはるかに上回る評判。加えて七代目の丹念な仕事ぶりも合わせて、つい機を逸してしまったという次第です。



これではならじとフル回転で品揃え。刺子織羽織の登場となりました。写真のような仕上がり、いかがでしょうか。確かに皆様からのご指摘のように、羽織を一枚合わせるだけでグンと格調が増し作務衣本体がいっそう引き立ちます。



素材、織り、色、すべて作務衣と同じ。ただ「丁字雲」「唐法師」に付けていました柄は、羽織の特性、袖なしの陣羽羽織型を考えて無しとしました。



裏地はごらんのように藍と対をなすことで気品が増す明るい“ねずみ色”。霜ふり風に模様をつけ動きを出してみました。もちろん、表はすべて刺し模様です。
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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

京都刺子織作務衣 蓬(きょうとさしこおりさむえ よもぎ)


秋号にて初めてご紹介した「柿渋」が大変な話題となった“京都”の作務衣。さて、この春号にはどんな作品が送られてくるか、私どもも首を長くして待っていました。



蓬(よもぎ)――でした。奇をてらうことなく堂々と季節の彩りでした。素材は綿に麻混。京都の盆地に吹き込む春から初夏にかけての風が感じられる彩りと素材、さすがです。



最初は少し奇異に見えた“はかま”感覚で着る、いわゆる京都式の仕立ても大好評。もちろん、上着を出せば、他と変わらぬ作務衣すがたが得られます。



京都作務衣の特色は、都会派ともいうべき小粋さや新和風と呼ぶにふさわしい機能性の数々。あでやかで新しもの好きだったといわれる平安京――千二百年を迎える現在でも、その伝統は脈々と生きているようです。
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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

京都刺子織作務衣 柿渋(きょうとさしこおりさむえ かきしぶ)


京都・西陣からやってきた新感覚の作務衣。二通りの着方も新鮮。



さまざまな本格的作務衣を開発し、普及活動を続けている当会には、全国か種々の情報が寄せられます。特に、最近はいわゆる業界からのそれが多くなってきました。

「こんな作務衣はいかがでしょう?」という類のお問い合わせも度々ありますが、いまひとつ私どもの胸をときめかすような作品にはめぐり合うことができずに過ぎてまいりました。



そんな折、京都は西陣。百年以上も続いている老舗から――。

「お宅さまの会員の方に、ぜひこの作務衣をご紹介いただければ…」という丁寧な挨拶と共に、一着の作務衣が呈示されました。



青柿からしぼった染液、まさに草木染めの極致!



スタッフの間から思わずため息が漏れました。質感も鮮やかな刺子織。西ケ崎七代目の刺子織が“素朴”なら、京都はまさに“都会派”といえましょう。そして、この作務衣の大きな特色は、その染めにあります。



名前にもなっている柿渋染め。これは、青柿をつぶし、しぼり採った汁を酵母の培養樽に入れて発酵させます。この原液を二年ほど寝かせた柿渋汁は深く熟した色を帯び、天然の色を醸し出します。この液に何回となくつけて染め上げた糸で織った布地は、自然との調和の中で、時と共に深い味わいのある彩りに変化してゆきます。まさに草木染めの極致といえましょう。



洗練されたエスプリが満喫できるニュー作務衣



もうひとつの特徴。それは、写真でお分かりのように、二通りの着方ができる機能性にあります。



上着を着流せば、いわゆる作務衣姿。さらに、はかま感覚のヒモ構造になっているので写真のように活動的で現代的なシルエットも得られます。裾のヒモも好みで締めたり開いたり。とにかく、新和風と呼ぶにふさわしいニュー作務衣。徳利のセーターやハイネックのTシャツなどとあわせてご着用になれば、洗練されたエスプリが満喫できます。



できる限り当会のオリジナル性を大切にしてきましたが、この京都・西陣からやってきた作務衣には、正直なところ脱帽。その色合いといい風合いといい、そのクオリティの高さには関心させられました。



古き佳き作務衣が、今まさに新感覚と共に時代の壁をひとつ乗り越えた――と感じるのは私どもだけでしょうか。



大人気の「柿渋」をはじめとして、好みに応じて「銀鼠(ぎんねず)」「藍(あい)」の3色をご用意しております。

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◆年代で見る和服「作務衣」 , カタログ和服こぼれ話

布を刺す。刺子織りの話。(3)


色刺しや伊達刺しも現れ、その服飾美に大きな注目が――



明治に入ると木綿の着用が認められ、刺し糸が白い綿糸に変り、模様がさらに鮮やかに映えるようになります。



この頃から、刺子は実用性より服飾美が注目されるようになったのです。そして鉄道の普及が、刺子の役割に終わりを告げました。



しかし、この北国に芽生えた刺子の素朴さや美しさや滅びることなく現代まで伝えられてきました。



それは単なる模様ではなく、それに込められた“生きる歓び”や刺し続ける乙女たちの心の輝きが万人の胸を打つからに他ならないからでしょう。



この刺し手法は北国以外でも古くから見られます。例えば、江戸中期に「鳶、人足、火消しは必ず刺す」と決めがあったとか。

火消し装束などは、いわゆる半纏刺しとしてあまりにも有名。色刺しや伊達刺しの傾向もすでに現れています。



合理的な刺子織の開発と進歩で、その情緒を楽しむ。



衣服の材料が溢れんばかりに豊富な現代。皮肉にも、切ない想いから生まれた刺子模様が大変に注目を集めています。実用性を重視した武道着はともかく、ファッションとして幅広く取り入れられているようです。



合理性の面から、一針ずつの刺し手法ではなく、いわゆる刺子織りの技術も開発されました。

その良否はともかく、現在では手軽にこの刺子の風情が楽しめるようになったのです。



貧しさを見事な知恵で着る歓びに変えた先人たちの心を、受け止めてみたいものです。
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布を刺す。刺子織りの話。(1)


雪深い北国に咲いた白い花――素朴にして端正な“刺子模様”



炉端に座った母と娘が黙々と針を使っています。鉄びんがチンチンと鳴り湯気がゆらゆらと立ちのぼっています。雪はしんしん、外は一面の銀世界。時間が静かに流れてゆき、母親の手元では、藍地に白い花が咲こうとしています…。



こんな光景が時を越えて目に浮かんできます。今回は、雪深い北国から生まれた、質素で素朴でありながら端正な輝きを見る人に与えてくれる“刺子(さしこ)”という技法についてお話しましょう。



刺子とは、簡単に言えば布地に補強、保温、装飾を加えるために刺し縫いをすることです。

衣服に刺しを施す手法は全国各地で見られるもので、その発祥は定かではありません。



しかし、最も古いとされ有名なのは、藍染の麻地に巧みな刺し模様を配し、他の地方では見られない独自の服飾美を築き上げた<津軽こぎん>が上げられます。

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