日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」

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93~94年の作務衣 , 染&織作務衣

絹刺子織作務衣 茶刺子開発話


想いを連ねたら…こうなりました。秋の新作は、まさに珠玉の終結です。



恒例のスタッフ会議。テーマは、秋の新作をいかにするか――いつものことですが、春の盛りに秋の作務衣をどうするか想いをめぐらせるのです、アイディアに詰まったら、言葉の連想ゲームが始まります。



秋天、初紅葉、落穂、菊人形、熟柿、桐一葉…など、あたかも俳句歳時記を読んでいるように言葉が飛び交います。その時、ある女性スタッフが発した言葉に、席がシーンと静まり返りました。



澄んだ声で発した言葉、それが「きぬざしこ」でした。



何という響きの良さでしょう。耳から聞いた絹刺子ではなく、“きぬざしこ”でした。

スタッフ全員がこのようにひとつの言葉の響きに吸いつけられたケースは前代未聞。そして各人の頭の中で、その言葉のイメージはどんどん広がっていきました。



清冽なほどの気高さ、そのくせ、どこか素朴な…



広がったイメージを集約すると、“風が運んだ玉の音、月に照らされる輝き…”。その気高さ、端正さは清冽。そのくせ、どこか素朴で土の香りさえするようなイメージはとても奥深いものがあります。

秋の新作テーマは異存なし、満場一致でこの“きぬざしこ”に決定しました。



文字通り、絹の刺子です。優雅さの象徴ともいえる“絹”と、貧しさ故の工夫から生まれた“刺子”の技法が四つに組む訳で、この組み合わせもさまざまな思いが連なって何ともいえぬ趣があります。



素材は正絹100%の刺し子織。その架け橋となる染めは樹木染めを採用します。

万葉百彩シリーズのひとつとして開発した樹木染めは、その自然感覚も時流に合って、今や人気の高い染め技法。しかも、ここにきて染めに濃淡が出せるようになったこともあり、今回の色染めの役割を負うことになりました。
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