日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」

日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」は「作務衣の専門館『伝統芸術を着る会』」によって運営されているウェブサイトです。
カタログ和服こぼれ話

人と物の付き合い考 癒し


時代が閉塞するとき、人は必ずといって良いほど充実した精神の世界を求めます。そして、充実した精神に必要なものは「癒し」です。



戦後、ひたすら走り続けてきた私たち日本人は歴史の踊場で一息つき、さまざまな価値観の見直しに来ていることを実感しているのです。



今こそ、がむしゃらにモノに執着・拘泥する考えから、そのものと精神が一致する整合性に目を向け始めているのではないでしょうか。

この時、私たちは初めてモノから授かる「癒し」を体験するのかもしれません。



例えば、ブランド商品に目を奪われていた方が、ある時シンプルにして機能的、そのフォルムの美しさに愕然としたという作務衣。

作務衣の現代における人気は正にモノと精神の無理のない整合性にあるのです。



そして改めて回りを見渡せば、作務衣同様シンプルにして機能的、かつ心を癒してくれるものがあることに気づきます。

その一つに僧侶の外出着として馴染み深い「改良衣」があります。



自らを悟りを開く厳しい境地に追い込みながら、人々には慈悲と癒しを施す僧侶が到達した必要最低限のフォーマル着、それが「改良衣」なのです。



ありとあらゆる無駄をそぎ、かつ伝承の様式を踏まえ清潔な「癒し」を与えてくれる「改良衣」。

そこには、私たち現代人が忘れていた「質素という贅沢」を彷彿とさせてくれるものがあります。



人とものとの付き合いに「癒し」を吹き込む「改良衣」は身近に備えておきたい一着です。

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人と物の付き合い考 工夫


二足歩行するヒトと猿は他の動物と比べ進化の度合いの高さを示しています。

とりわけヒトは二足歩行によって正に前足であった「手が空き」、あらゆる道具を作り、生活を豊かにしてきました。その道具の一つに"履き物"があります。



ヒトは進化とともに、素足で歩くことによる怪我の恐怖から履き物を生み出しました。こうして生まれた履き物は、時代とともに世界各地でさまざまな形に進化してきました。



こんな俗説なことわざがあります。



"京の着倒れ、大阪の食い倒れ、江戸の履き倒れ"。



このことわざはなによりも「足許を見て人をさぐる」と言われるように"粋"に価値を見出した江戸人がただの歩行の道具であった履き物を、ファッションの域まで昇華させたことの証しです。



今、世界の履き物文化は、その機能性、ファッション性においても進化し続けています。一つの道具が繰り広げる進化は常に時代のニーズが母胎となっています。



さて、このようにヒトは知恵によりさまざまなものを作り出しましたが、最近のストレス社会を反映した安眠グッズが根強い人気を保っています。



健康の基本であり、人生の三分の一の時間をゆだねる"睡眠"こそ快適にしたい、とだれしも願います。



最近では形状・素材のレベルから科学の知恵を取り入れ、安眠のポイントである枕にもマイナスイオンを施し、バイブレーション機能で目覚めもスッキリできるものが発売され人気を博しています。
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人と物の付き合い考 拘り


人をもてなす心を礼といいます。

礼を尽くす、これこそが尽くされる人にとっては最高の贅なのです。そして、人をもてなすときには、もてなす側になんらかの「拘り(こだわり)」があるでしょう。



"馳走"という言葉の意味は、客をもてなすために奔走すること、つまり拘ることであり、高価なもの、贅沢なものより、その行為の有り難さを"御馳走"というのです。



昨今、天然、無添加、有機など、素材本来の持ち味に、人の技という行為を融合させ、その拘りを表する代表的なもてなしの料理として蕎麦があります。



最近では、蕎麦打ちも職人の領域から一般へと広がり、お客様が訪れたときに、実際に手作りの蕎麦でおもてなしをする方も増えています。



そこでは、素材であるそばの実の産地や、そばの花の清楚な美しさ、香りなどを語らい、実際にそばの実を碾いて、打って、ゆで揚げ、調理してさしあげます。



お客様は石臼や本格的な手の込んだ手法に驚きとともに舌鼓をして、改めてその真心のこもったもてなしに感謝されるでしょう。



真心と大切な時間を掛けたとき、そこには客人の喜びがあり、客人の喜びはそのまま主人の至福の時でもあります。



このもてなす側の拘りは、趣味の世界へと話を広げ、お互いの団欒のときを一層楽しく味わい深いものにしてくれるものなのです。



ささやかでありながら奥の深い趣味「蕎麦打ち」、充実した一日を体験したい方には是非お奨めします。

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人と物の付き合い考 縁起


私たちは生活するあらゆる場で様々な<物>たちと共生しています。



古くは農耕や狩猟に使った道具から、現在のハイテク製品まで、必ず私たちを助けながら生活を共にしています。



これらは、ある時は便利に生活するために欠くことができないものであったり、ゆとりや和みを与えてくれるものであったり、心の拠り所になるものであったりと、生活の中で様々に関係しています。



そして、その<物>と私たちとの関係が長くなればなるほど、愛着という感情が育ち、互いに親密さが増してゆくものなのです。



あなたの身の回りにもそんな愛着のある<物>が、きっと多いことでしょう。また、今後関係を深めてゆくものたちとの出会いは永遠に続くはずです。



「縁起」とは、仏教用語で因縁の法則。

一般には、神や仏の霊験を記したもので、多くのものの吉凶を法則化したものと言われています。

そんな縁起を最も大事にしたのは、江戸時代の庶民たちでした



一方、中国には『風水学』と呼ばれる開運を追及する学問があります。これは、色、方位、形など常に一定の法則の基にあり、これを実践することで運気を集め成功に導くというものです。



香港の街の建造物などは全てこの(繁栄のシンボルである竜の通り道などを想定した)風水学に基づいて建築されています。



さて、最近の日本でもそんな縁起を担ぐことを生活に取り入れることが流行しています。なかでも、不況を反映して蓄財を縁起祈願する弁財天に纏わるものの人気が高いようです。



弁財天は、インドの神話でサラスヴァティーと呼ばれ、穀物を豊かに実らせる川の神とされ、蛇を使者としています。

蛇は西洋では医聖ヒポクラテスの時代から知恵のシンボルとして有名ですが、日本では蛇の夢を見ると大金が入るという言い伝えは、この弁財天に由来しているのです。



このようなことから弁財天の化身とされる天然白錦蛇の財布が金運を集める商品として人気を集めています。

また他に、幸運をもたらすものとして人気が高いものに竜や虎や招き猫といったものがあります。



竜虎は、都の東西を護るものといわれ風水では重要な存在とされ、招き猫も人とお金を招くとしてその愛嬌も含めて多くの人に愛されているのです。
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新年はご家族お揃いで――作務衣で迎えるお正月 (2)

それは日本人の新たな心意気



厳かな中にも、ぬくもりとくつろぎに満ちたひととき――私ども伝統芸術を着る会では、そんなお正月を実現するために、創設以来一貫して<作務衣で迎えるお正月>というライフスタイルを提唱し続けてまいりました。



しかし、作務衣を着て、和の精神論を滔々と語っていただきたいというのではありません。



佳いものは黙っていても相通じると申します。

大黒柱が正月おろしの作務衣に袖を通し、ずいと上座に居座るだけで、まさに以心伝心。

ご家族の方々の心に情憬の思いをいだかせ、謙虚と粋を併せ持つ和の伝統の心意気がじんわりとしみ渡るのです。



ご家族で作務衣姿。温かな団らんもひとしお…。



そこで、<作務衣で迎えるお正月>をより一歩進めたご提案をひとつ。



一家の長に、新春に相応しい作務衣を着ていただきたいのはもちろんなのですが、年賀といえば、例えば一家をお構えになったご子息や、嫁いでいったお嬢様方と久方ぶりに絆を確かめ合う目出度いお席でもございます。



あれこれと思い出話に華が咲き、身内ならではの遠慮のない温もりをしみじみと感じながら夜も更け、お泊りになられることは当然のこと。



そのご家族のお着替えとして、作務衣をご用意されてみてはいかがでしょう。



三箇日に皆さま揃って粋な作務衣姿。

むこ殿と時を忘れ杯を交わすもよし。童心に返り、皆が揃って双六のひと振りに歓声を挙げるもまた一興。

実に粋な情景と相成るに違いありません。



着るだけで和の佳さが伝わる、日本の伝統着――作務衣が、ご家族の絆を深めることにも役立てば、作務衣の専門館として決意も新たな当会として、これほど嬉しいことはございません。
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新年はご家族お揃いで――作務衣で迎えるお正月 (1)


一年の計、元旦の儀式。その佳き習わしが今や…。



桃源郷に遊ぶ――とでも申しましょうか。

理想を追い求める人生は、ふと気づくと、驚くほど時の流れが早いもの。

つい先日、春を寿ぐ心地よい調べを耳にしたと思っていたのに、街には師が走る季節の兆しが漂い始めています。



一年使った心の旅のわらじを脱ぎ、家族揃って心身ともに清水を浴びるような、清々しいお正月はもう目の前。



とはいえ、年賀の席も今やめっきり様変わり。

洋風ナイズされた時代に生まれ育った若者方は、一年を通じて最も日本人として生まれた慶びが堪能できるお正月といえども、その過ごし方は如何せん、賑やか三昧の洋風…。



伝統を重んじる和の風が時代の空気を確実に変えつつあるとはいえ、一朝一夕にはいかぬものなのでしょうか。



会員の方々にはお分かりいただけると思うのですが、幼心にも感じた元旦の朝の一種の緊迫感。大黒柱がずいっと姿を現わし屠蘇をいただき、頼もしい中にも畏怖を覚えた、みそぎのようなひととき…。



思わず背筋が伸びるあの時があればこそ、それからの一年にかける思いが際立ったのです。



それが消えつつあるのも時代の流れ…と割り切ってしまうことの善し悪しを論じるつもりはありません。



どんなに形が変わろうとも、新年祝う気持ちに違いはないのですから…。
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99~00年の作務衣 , 絹作務衣 , 袴&和服アンサンブル

正絹アンサンブル 紺紬(しょうけんあんさんぶる こんつむぎ)


袴姿で決める!



フォーマルな場に堂々と…袴アンサンブルに待望の新作登場!日本伝来の美をまとう誇りが、初春を雄雄しく駆け抜ける。



日本人だからこそ――日本伝来の袴にこだわりたい。



本格的な袴を作務衣に合わせた新様式、上着と袴と羽織の3点セットで人気急上昇の<袴アンサンブル>に、待望の新作が登場しました。



その彩りは、日本の伝統様式が最も昇華される初春に相応しい紺。野趣と気品が同居した立ち姿は、フォーマルな場面、訪問着としてもピタリと決まります。



より格調高く、趣豊かな伝統美を表現するために、生地も一段上の正絹を贅沢に用い、着崩れを防ぎ、背筋をピンと伸ばすために背板を付けました。

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95~96年の作務衣 , 絹作務衣 , 袴&和服アンサンブル

絹唐山袴アンサンブル 音羽(きぬとうざんはかまあんさんぶる おとわ)


袴の柄に最も合うとされる唐桟縞で仕立てた注目の一着。



本格的な袴を作務衣に合わせた新様式<袴アンサンブル>の人気が急上昇。早くも三着目がお正月に向けて発進です。



今回の新作は伝統の唐桟縞で仕立てました。インドより渡来、江戸の中期に大流行したこの唐桟縞は、袴の柄に最も合うとされています。



素材はもちろん、絹100パーセント。直線的に流れる縞の美しさが、絹ならではの光沢に溶け込み、優美さを粋をいやが上にも引き立てています。濃紺と茶に淡い藍を一組にしたタテ糸と、濃紺のヨコ糸を交らせた微妙な色合いも絶妙。



「銀鼠」、「絹天竜」に次いで「音羽」の登場で、この新様式<袴アンサンブル>が更に強力なラインナップとなりました。このお正月に、いかがでしょう。
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95~96年の作務衣 , 絹作務衣 , 袴&和服アンサンブル

正絹袴アンサンブル 絹天竜(しょうけんはかまあんさんぶる きぬてんりゅう)


数ある当会の生地素材の中から、袴アンサンブルにふさわしいと白羽の矢をたてたのが、ご存知、正絹樹木染の「絹天竜」でした。



絹を樹木で染めることから生じる自然な輝きは、これまでの袴アンサンブル「銀鼠」とは趣を異にする色合いと風合い。



仕上がってみると思惑通りの出来栄え。藍衿の肌着に黒足袋雪駄で決めれば、これぞ日本男子のダンディズム。得も言われぬ雰囲気が漂います。



従来の和装アンサンブルに優るとも劣らぬ新しい新様式は、祝いの席などに最適。堅苦しい礼服に換えてこんな姿でお出かけになると、参列者の視線は釘付け。あなたのセンスがひときわ光ります。
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95~96年の作務衣 , 絹作務衣 , 袴&和服アンサンブル

正絹 袴アンサンブル 銀鼠(しょうけん はかまあんさんぶる ぎんねず)


またひとつ、新しい様式美の誕生です。今度、結婚式に着ていくよ――という声も。



野袴ではなく、本格的な袴を作務衣に合わせてみたらいかがなものか――こんな会員の方からのご提案をひとつの形にしてみました。作務衣の上衣に"馬乗り袴"、さらに作務衣用の袖なし羽織をセットして完成したのが、ご覧のようなアンサンブルです。



素材は、作務衣・袴・羽織全て正絹。明るい鼠色に滋味あふれる織り模様が広がり、自然の中に溶け込むような素材をかもし出しています。それでいながら同時に、アンサンブルとして全体の調和から生まれる独特の気品は圧巻。

開発した私どもでさえ、いいなァ…とつぶやくほどの出来ばえとなりました。



実際、人気も上々。「いいねぇ、今度これで知人の結婚式に出てみようと思ってる」と嬉しいお便りも寄せられています。



従来の和装アンサンブルに勝るとも劣らぬ新しい様式美の誕生。四季を通してお召しになれますので、この機会にお求めになられてはいかがでしょうか。

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99~00年の作務衣 , 絹作務衣

大島髭紬作務衣 黒と羽織(おおしまつむぎさむえ くろとはおり)


まさに大島の中の大島。黒絹と髭の魅力は垂涎もの!



大島紬の彩りの中でも最上と云われる「鴉(からす)の濡羽色」を用いたのが、「大島紬作務衣 黒」です。



その彩りをさらに極上の高みへと押し上げているのが、和装の世界では俗に“髭”と呼ばれる表面の織り加工。



まさしく髭のように全体に施された織りの意匠が、黒絹の乱反射による渋い彩りをさらに複雑妙味なものにしています。



織り上げるのに、通常の大島紬の2倍もの手間を要すると聞けば、その職人的付加価値の高さもご納得いただけるはずです。

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99~00年の作務衣 , 柄作務衣

大島紬作務衣 紺と羽織(おおしまつむぎさむえ こんとはおり)


裏地にまで絹を用いた、素材、意匠ともに究極の逸品



新作「大島紬作務衣」の生地の彩りは、大島紬の代表的な色でもあり、人気も高い紺を採用。その高貴な彩りに加え大島紬の優れた点は、糸が柔らかく熟して、生地が驚くほどの堅牢性を増し、親から子へ代々着続けられ、永年に渡って味わいを増していくこと。



この生地にて新作を仕立てるために、当地の織元をスタッフが何度訪ね交渉を重ねたことか…。大島紬での作務衣が夢であったこと、高嶺の花という認識を打ち破る価格で提供したいということ等等…。



やがて大島を詣でること数ヶ月、織元が苦笑い交じりにぽつりと一言、「根負けしたよ…。とにかく、ひとつやってみるか」。それこそ、創造という共通のテーマを追い求める同士の探究心が合致した瞬間でした。



その言葉で、希少な生地を作務衣用に特別供給していただくこととなり、その結果、常識ではまず考えられない、まさに破格な大島紬の作務衣が、15年目にして誕生することになったのです。



「大島紬作務衣」こそ、装いの年輪を楽しむための豪著な一着。

この生地をさらに引き立てるために、羽織の意匠をはじめ細部にわたって高級和装仕立てを採用。また、本物の通は見えないところにこそ贅を注ぐとの例えの如く、生地の王者である絹を裏地に採用、おかいこぐるみの着心地が存分に愉しめます。



故に僭越ながら、その作務衣に袖通すことは、いわば“成功者の証”。社会的地位を確立した方にこそ似合う、逆に言えば着る方を作務衣が選ぶ、ステイタスシンボルとも呼ぶべき価値を持つことは、真の審美眼をお備えになられた方なら一目瞭然のはず…。



当会の創作の集大成とも言える作品「大島紬作務衣」、親子代々ご愛着願いたいのです。この作務衣にはそれが出来るのですから――。

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99~00年の作務衣 , 絹作務衣

大島紬作務衣 開発秘話(おおしまつむぎさむえ かいはつひわ)


これぞ“成功者の証”。着る方を選ぶ一着。



作務衣の普及と創作、進化に邁進せんと志を立て早くも15年。

基本を見据えながらも、多彩な素材と染めの採用、先端をゆく新素材の開発、高機能の付加…と作務衣の持つ様々な可能性を追求し続けてきた当会の、初心のおぼろな夢幻が今、高らかに現実のものとなった…。

「大島紬作務衣」。人生の成功者である、貴方にこそお召しいただきたい。



当会が旗揚げした早々の頃。

仕事帰りの、作務衣を話題の肴にした酒の席で、いつかは創ろうと笑い話で終わってしまっていた大島紬による夢の作品…。



その夢が、ひょんなことからたちまち現実味を増したのが、あれから光陰矢の如く、15年の時が流れた今年の初春のこと。当会作務衣のご意見番より、



「大島紬で作務衣を創ってみないか。いや、難しいのはよく分かる。だが、おたくが創らなくて、どこが創るの…」



その言葉が、スタッフ全員を一気に燃え上がらせ、それぞれが初心に戻り、夢の実現にひた走ったのでした。
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◆年代で見る和服「作務衣」 , カタログ和服こぼれ話

厳かに、くつろぎたい--作務衣で迎えるお正月(2)


お正月のすべてを考えた作務衣の登場。

さまざまな想いを重ねてきたからこそ、いまは余裕を持ってお正月を迎えることができます。

ゆかしくも厳かな迎春儀式はきちんとこなす一方で、忙しさにかまけて忘れがちになっていた家族団らんの温もりのために心を配る。自分も成熟したなぁなどとつぶやき、そんな自分に照れてしまう自分。しみじみといいものです。



厳かさの中にくつろぎ--私ども伝統芸術を着る会では、こんなお正月を実現するために、創設以来一貫して「作務衣で迎えるお正月」というライフスタイルを提案してまいりました。



くつろぎ着という面では、作務衣の持つ様式や形、そして機能がすでに十分にその役を果たしていると思われます。

しかし、くつろげればどんな作務衣でも…というわけにはまいりません。伝承の儀式に対応でき、年賀のお客様への礼も失することのない作務衣でなくてはならないのです。



このような意味をふまえて当会では、お正月を十分に意識した目的対応の作務衣を開発、お正月特集号にて発表させていただいております。

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カタログ和服こぼれ話

厳かに、くつろぎたい--作務衣で迎えるお正月(1)


年賀状の整理などをはじめると、もう年の瀬。季節はめぐり、またお正月がやってきます。



ところで、来たるお正月は、あなたにとって何回目になるのでしょうか。指折り数えていると、これまでのお正月がまるで絵草子のように浮かんでくるものです。



無邪気にお年玉袋を抱えてはしゃいでいた頃、元旦の儀式が何となくわずらわしくてすねて見せたあの頃、子達にお年玉をあげる立場になった頃…。



さまざまなお正月を重ねながら、現在があります。まさに、お正月は人生草紙の折り目であり章なのです。

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99~00年の作務衣 , 絹作務衣

重ね織作務衣 招福と羽織(しょうけんさむえ しょうふくとはおり)


笑う門には福来たる。笑顔と福を招く、お正月の作務衣です。



時代の変わる節目だからこそ、はなから笑って福を寿ぎ過ごしたい…。

そんな福福しい想いを込めたのが、新作「重ね織作務衣 招福」です。その開発記念と、この一年のご愛顧に感謝を込めましてお披露目させていただきます。



来たるお正月は例年とは別格。新しい時代への門出です。だからこそ、会員の方々には、より華やかに、より愉快に新年をお迎えいただきたい。

私どもでは今回、その想いを新作開発の際の基本の考え方、そして課題として、自らに託しました。つまり…







先染めの糸を用いた落ち着いたグレーの彩り、重ね織によりかもし出されるシルクのような光沢。暖かさも格別、丸洗いでシワになりにくい、お正月をお得な気分でしかもお洒落にする一着です。

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97~98年の作務衣 , 絹作務衣

正絹作務衣 吉祥と羽織(しょうけんさむえ きっしょうとはおり)


新春を粋に装う、艶消しの絹。



年の始めの装いは、燻し銀の風格。表は手紡ぎ絹糸のみじん小絣。裏地には逞しい爪で吉運を掴み、鋭い眼光で邪気を追い払うと言われる鷹の絵柄。



作務衣で迎える粋なお正月――



会員の皆様の間ですっかり定着した当会からのご提案「作務衣で迎えるお正月」は、作務衣未経験の皆様にとっても作務衣初体験のいいきっかけになっているようで、お正月用の作務衣として企画された正絹作務衣・寿シリーズが大好評。そして今度のお正月用作務衣として開発されたのがこの「正絹作務衣 吉祥」です。



スタッフ会議で決まったお正月用作務衣のテーマは「粋」。奥床しく、上品で深みのある日本独特の美意識「粋」です。当会の考える枠を表現するため、まず素材探しが始まりました。



手紡ぎの絹糸で手織りの風合いを…



奔走の末出会ったのが、この見事な風合いのみじん小絣。

繭から丹念に手紡ぎした絹の糸をできるかぎり手織りに近い状態にするため、半自動の木製織機を使って織り上げています。



染めではなく黒糸に白糸をからめることで表現された奥深い彩り。絹糸によりをかけた紬の糸を細かく打ち込んだ落ち着いた絣。てかりを押さえた織り上がりにより、絹本来の艶のみが味わえる渋い仕上がりとなりました。



粋な人は見えない所にこそ凝るものとか…



さらにこの作務衣の憎いところは、裏地にまで凝ったところ。

作務衣の裏地には、ご存知「一富士・二鷹・三茄子」の縁起三景の一つ、松に鷹の絵柄。昔から鷹は吉運を掴み邪気を追い払うと言われています。また、羽織には、金運を象徴する小判の柄が施されています。



まさに通好みの粋な「正絹作務衣 吉祥」はお正月を飾るに相応しい作務衣と言えます。

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97~98年の作務衣 , 絹作務衣

正絹作務衣 桔梗紺と羽織(しょうけんさむえ ききょうこんとはおり)


当会が誇る“絹の作務衣”シリーズに新しい一着が加わります。



この新作、素材はもちろん正絹100%。色合いはご覧の通り。これまで絹のシリーズは彩りの開発という一面を持っていましたが、今回は初心に戻るという意味も込めて伝統的な“紺”です。



とは言え、一捻り加えることは忘れていません。

遠目には分かりませんが寄ってみると、織模様が鮮やかに表情を作っています。これが<網代(あじろ)織り市松(いちまつ)くずし>。あの“市松”模様に少し変化を加えた何とも粋な織り柄です。



今の彩りに奥床しい織り柄が絹ならではの輝きをさらに奥深く気品に満ちたものとした一着。作品の手応えは十分です。

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正絹黒作務衣 黒鉄(しょうけんさむえ くろがね)


別格ともいえる黒。黒の作務衣をいつ発表するか――当会の大きなテーマでした。その結論は、やはり正月しかありません。



もちろん正絹。初詣やお年賀にお召しいただきたく総裏付で仕立てました。足袋も黒はいかがでしょう。まさに、黒づくめの快感です。

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正絹総裏付作務衣 慶寿(しょうけんそううらつきさむえ けいじゅ)


年賀三箇日に着る“お正月の作務衣”。大黒柱のための一着。七年目の寿シリーズの新作は“門出の松”で参ります。



お正月にこそ、正絹の作務衣を愉しんでいただきたい――そんな想いから誕生・出発いたしました<寿シリーズ>。今回の新作<慶寿>の彩りは、門出の松の緑。

年頭の晴れの舞台であるお正月の三箇日に一家の大黒柱に着ていただくための一着というだけあって、格調の高さと、威厳が違います。



袖を通せばその威厳にご家族の背筋もピンと伸び…



袖を通して、どかりと上座へ腰を降ろせば、普段見慣れた姿とは一味違った威風堂々たるその存在感に、ご家族の背筋もピンと伸び、正月ならではの清々しい緊張感と、大黒柱への尊称を称えたくつろぎのひとときが流れます。



そのあぐら姿は、まさにめでたく、頼り甲斐のある強い松。訪問者の方々も、その男振りに、さすが…の声をお洩らしになるに違いありません。



“きぬざしこ”の妙味が、裏地付きの温かさでより高鳴る



その羨望の声は、大黒柱が体を動かすごとに見せる作務衣の表情の変化でさらに高鳴るはず。絹100%の生地に施された刺子の微細な凹凸が生み出す表情がひとつではないからです。体の動きや光加減で醸し出る、無数のえも云われぬ優しさと気高いまでの多彩なその表情…たまりません。



もちろん従来のシリーズ作務衣同様、寒風の中においても正絹を着たときの格調の高さと誇り、凛々しいたたずまいを崩さぬよう、綿起毛の裏地を付け、暖かさもしっかりと確保しています。



また、記念となる品だからこそ、本格的な角袖羽織は決して欠かせません、しかも、お正月前後の時期にのみ発売する稀少品。ぜひご用命下さい。

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正絹 謹寿角袖羽織(しょうけん きんじゅかくそではおり)


年賀の訪問に羽織は欠かせない――。とくれば、ここは別格の角袖羽織でとどめをさす。



極めつけの作務衣を着ての年賀のご訪問なら、羽織を忘れては、まさに画竜点睛を欠く…。



年賀の挨拶といえば、その人の新年にかける意気込み具合、決意の表明ともとれるもの。ならば、ここはひとつ、めでたさ尽くしの格調高き羽織を合わせ、堂々の主張にて参りましょう。



それも先様への尊敬の念を込めて、礼にかなった角袖羽織を颯爽とまとって臨んでいただきたいと思います。



「正絹刺子織作務衣 謹寿」と共布で仕立てたそのひと振りを合わせれば、作務衣と共に醸し出る気高い流麗さに思わず息を呑むほど…。その趣味の良さに大向こうから“いよっ!”とかけ声がかかりそう。この伝統美、決して着逃せません。
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99~00年の作務衣 , 絹作務衣

正絹刺子織作務衣 謹寿(しょうけんさしこおりさむえ きんじゅ)


正絹に綿起毛の裏地を…外見も着心地も最高峰!



正月という日本の様式美の場に臨むにあたって最もふさわしく、そして日本人に最も愛されていると言っても過言ではない、極めつけの彩りである黒を…という想いから生まれた新作は、慎み深く事を祝うという和の精神にふさわしく、「正絹刺子織作務衣 謹寿」と名乗ります。



黒と一口に言っても、その彩りは奥深きもの。刺し模様の質感が微細な白と黒の世界を展開し、全体の色彩感としては濃い鼠色を思わせる、これぞまさしく“黒刺子”。



この彩りと質感を流麗に気高く包み込んでいるのが絹ならではの輝き。なにしろ刺子に織るために、通常の三割近くも絹を多く用い、その光沢は刺子独特の凹凸を見事に際立たせています。



織りはもちろん刺子織。同じ太さの糸を浮き織りにして凹凸を付ける<崩し織刺子>という伝統の技法を採用することで、絹の輝き過ぎを抑え、総じて格調の高さを生み出しています。



さらに特筆したいのは、寒さの中でも凛々しいたたずまいを損なわぬよう、綿起毛の裏地を付けたこと。



絹と刺子の微妙な調和、そして温かさまでも手に入れるという贅沢さ…まさに、着る人を心身ともに満足させ、思わず人にも見せたくなる一着です。

日本のお正月にはやはり黒、それも刺子で…。最高のものを年頭から着る慶びを味わえるこの新作。



大黒柱に相応しい晴れの作務衣として、ぜひおまとい下さい。

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カタログ和服こぼれ話

正月おろしの<寿シリーズ>謹寿


<寿シリーズ>で“正月おろし”という方が急増



<作務衣で迎えるお正月>というご提案が、おかげさまで広く普及した影響でしょうか。作務衣に関心をいただきながらも、つい着る機会を逃していらっしゃる方や、「正月くらいはやっぱり和服でピシッと過ごしたいが、着物じゃちょっと窮屈だと感じていたんだ…」という方々から、お正月が作務衣を着始めるいいきっかけになったよという、実に嬉しいお便りがこの数年でたいへん増えました。



その傾向に応じて六年前にスタートした「寿シリーズ」も、おかげさまで毎年大好評。そしていよいよ、今年を寿ぐ新作は…?



人気の“黒刺子”を寿尽くしの衣装で仕立てた、誠にめでたい、そして皆様待望の一着と相成りました。

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95~96年の作務衣 , 絹作務衣

紫寿 袖付羽織・袖なし羽織(しじゅ そでつきはおり・そでなしはおり)


袖付きの羽織を合わせると、さらにお正月気分が…



<寿シリーズ>の作務衣に合わせて開発された「袖付羽織」。俗に言うところの"長ばおり"が喜ばれています。



作務衣の上からはおるだけで、いかにもお正月といった雰囲気が漂います。



素材は絹100%。裏地はポリエステル。すべりがよく、中の作務衣とからみ合うこともありません。
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95~96年の作務衣 , 絹作務衣

正絹総裏付作務衣 紫寿(しょうけんそううらつきさむえ しじゅ)


お正月用の作務衣<寿シリーズ>平成九年の新作は渋い"紫"で参ります。



作務衣で迎えるお正月――という私ども伝統芸術を着る会からのご提案は、愛好家の皆さまの間ですっかり定着したようです。



そればかりか、作務衣に興味を持ちながらまだ袖を通したことがなかった方や、"正月くらい和風で過したい。しかし着物じゃちょっときゅうくつ――"という方たちにとっても、このお正月は、作務衣初体験のいいきっかけになっているようです。



特に、この傾向に応じて4年前からスタートした<寿シリーズ>が大好評。毎年、その年の新しい彩りを、俗に言う"正月おろし"でお召しになる方が急増しています。



子の年から丑の年へ――縁起も込めた彩りの誕生!



さて平成九年、寿シリーズの彩りは?これが結構もめました。

常盤の松をイメージした「緑寿」、日本の国色を採り入れた「藍寿」から始まり、「銀寿」「墨寿」と続いたこの寿シリーズ。これを受ける目出たい彩りは、色の格からいっても、"金"か"紫"ということになります。



しかし、さすがゴールドの色の作務衣となると当会としても腰がひけます。ならば紫、ということになったのですが、これもストレートな紫色では派手すぎる……との声が多く頭を抱え込んでしまいました。



その時、『ネズミ年からウシ年へのバトンタッチだからネズミムラサキってどうでしょう』と若いスタッフからひと言。



ねずみ紫?! なるほど、いい感じ。スタッフ全員の顔がほころびました。

十二支の受け継ぎで縁起もいいじゃないか、という事で、ちょっと渋めにねずみがかった紫色に決定。名称はシリーズの慣例通りに「紫寿」と名乗ります。



もちろん素材は正絹100パーセント。上下ともに軽くて暖かい綿起毛を裏地として付けています。晴れやかな元旦の朝、絹の輝きに包まれて主の登場――ここは一発、格調高くキメていただきましょう。
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95~96年の作務衣 , 絹作務衣

正絹総裏付作務衣 墨寿(しょうけんそううらつきさむえ ぼくじゅ)


正月用に開発された<寿シリーズ>が大好評!



当会では、3年前からお正月用の作務衣として<寿シリーズ>を開発、毎年新しい作品を正月特集号にて発表させていただいております。「緑寿」「藍寿」を皮切りに、昨年は「銀寿」を発表。



前述のように10年前より一貫してご提案を続けてきたことも手伝ってか、このお正月用作務衣が大変なご好評。毎年、新しい彩りを、俗に言うところの“正月おろし”でお召しになる方が急増しています。



今年もすでに沢山の方から、「来年の色は何?」という問い合わせが寄せられる程の人気。この寿シリーズの作務衣が、素敵なお正月の実現に役立っているかと思うと、当会としても無上の歓びです。



寿シリーズに圧倒的な人気の黒が登場!



というわけで、今年の…というより新しい年のお正月作務衣は「墨寿(ぼくじゅ)」と名乗ります。

色にランクはありませんが、こと黒という色はまさに別格の感があります。実際、この色に対する思い入れは皆様も大変に強いようで、寿シリーズに黒を…というご要望は、圧倒的なものがありました。



あまり堅苦しい装いは嫌。かといってくだけすぎるのも、どうかと思う。



こんな方のために開発したお正月用の作務衣<寿シリーズ>が大好評。従来の和装に取って換わらんばかりの勢い。



絹の格調高さに、綿起毛による総裏付の温もり、加えて銀と黒の彩りがいかにもお正月。家族と和むも良し、客人を迎えるもまた楽しい。一着ご用意あれば、いつものお正月が、ぐんと新鮮に…。

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93~94年の作務衣 , 絹作務衣

正絹総裏付作務衣 銀寿(しょうけんそううらつきさむえ ぎんじゅ)


除夜の鐘を聞きながらワクワクしていた。元旦は少し早く起きて、身を清め袖を通す。ふわっとした暖かさが五体を包む。鏡の前に立ち衿を合わせ、ちょっとポーズ。銀の彩りが晴れがましい。やがて家族の者の声が騒がしくなる。さあ、ご主人様の出番だ。



晴れやかでめでたいお正月にふさわしく素材はもちろん絹、そして彩りは銀です。季節を考えて上下ともに軽くて暖かい綿起毛を裏地として付けています。



さらに、この銀寿専用として本格的な袖付羽織もご用意しましたので、どんなお客様への応接も礼を逸することはありません。



意識した途端に足が早くなる年末。お正月のご用意は早いに越したことはありません。

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97~98年の作務衣 , 絹作務衣

正絹総裏付作務衣 緑寿(しょうけんそううらつきさむえ りょくじゅ)


お正月にふさわしい絹の作務衣を総裏起毛ウールで仕立てた、正絹作務衣 緑寿。お正月に絹の作務衣が着たいとの声に応えて昨年発表した「総裏付」が大変な評判。今年も色違いを、とのご要望。



そこで格調の高さで人気の緑系作務衣「祇園松」の布地に総裏をつけ、暖かい正月用の正絹作務衣に仕立て上げ、「緑寿」と名付けました。



裏地はすべて“起毛ウール”で、その温もりが五体を包み、心の和みが実感できるお正月の主人公らしい作務衣です。
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93~94年の作務衣 , 絹作務衣

正絹作務衣 海松(しょうけんさむえ みる)


絹古彩にはじまった当会の正絹作務衣のシリーズは、その後、絹唐桟、絹天竜、絹刺子――と種類も内容も順調にその幅をひ広げてまいりました。そして、ここにご紹介する新作もまた、新しくスタートを切る正絹シリーズの第一弾となるものです。



新シリーズの特色は生地全体に絣っているいわゆる<霜降り>の仕上げにあります。このため、絹もその特徴である光沢やしなやかさだけではなく、さらに深みのある風合いを醸し出すことができています。



深緑に白い絣――その色合いは、浅海の岩の上に生える海草にちなんだ、<海松(みる)>という古色。磯の香りが漂ってきそうな味わい深い彩りです。



この「正絹作務衣 海松」は、お正月をクライマックスとするこれからの季節にもお召しいただきたく、上下とも総裏付で仕立てました。「暖かい上にすべりが良くて着やすい」とこの総裏仕立ては好評です。
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93~94年の作務衣 , 絹作務衣

正絹作務衣 祇園松(しょうけんさむえ ぎおんまつ)


絹古彩シリーズにさらなる彩りを求めて、今回、皆様にご呈示するのが緑色の新作「祇園松」です。この緑彩のご希望は当初より強くあったのですが、敢えてここまで待たせていただきました。順を踏みたかったからです。



光の具合によって彩りが微妙に変化



緑といっても、できるだけ押さえた色合いに仕上げました。と申しますのも、絹という素材は内部からの反射光が表面に透過して、鮮明度の高い発色が得られるという性質を持っているため、少し押さえ気味にしないと作務衣ならではの“渋さ”が吹っ飛んでしまいます。



名付けて「祇園松」。釈迦が説法した僧侶として知られる祇園精舎を思うも良し、また京都の花街に想いを寄せるのもまた良し…潔さと粋さを合わせ持つ一着です。



絹独特のぬめり(弾力のある柔らかさ)、さらりとした肌ざわりなど、着心地の良さも抜群。それに、普段着としてさり気なく“絹”を着る感覚――この気分が何よりでしょう。
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カタログ和服こぼれ話

儀式と伝承の桧舞台、お正月


一年、三百六十五日が過ぎると気分も新たに年が始まります。いつ、誰が考え出したのか知りませんが、こんな時間の区切りというのはとてもいいものです。



人生が、いや歴史がただ何百何十万何十日…と区切りもなしに続くとしたら、味も素っ気もないものになることでしょう。



年号があったり、百年を世紀で表したり、一年は十二ヶ月、ひと月は三十日という具合に霧があることは、日々にメリハリを付け四季の移ろいも合わせて、私たちの暮らしをみずみずしいものにしてくれる、とても人間的なシステムだと思います。



伝統の儀式や様式、お正月は桧舞台です。



その最も象徴的なものが“正月”です。

十二月は三十一日の深夜まで取り立てに走り回る借金取りも、除夜の鐘と同時に“おめでとう”――これは別に落語の世界だけの話ではありません。

新しい年のめでたさや晴れがましさの前では、旧年のイヤなことやつらいことも姿を消してしまうということです。



という訳で、今年も残りわずか。

何かと大変だった今年も、一夜明ければ希望に満ちた新しい年のスタート。

何代にもわたり伝承されてきた儀式や様式の舞台が、松が取れる頃まで華やかに厳かに展開します。



家族全員が、あたかも時代劇やドラマの主人公みたいに気取っていたり、お父さんがお父さんらしかったり…多少のテレくささはあっても、それでいいのです。それが、まさにお正月なのですから。



みんなが日本人になってしまう初詣には、和装の人もどっと繰り出します。そんな中で、思い切って異彩を放ってみませんか。古くて新しい装いの組み合わせ。重厚にして斬新、参詣の人たちのため息を感じながら闊歩。



作務衣で迎える正月には、格別の味わいがあります。

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