日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」

日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」は「作務衣の専門館『伝統芸術を着る会』」によって運営されているウェブサイトです。
カタログ和服こぼれ話

人と物の付き合い考 癒し


時代が閉塞するとき、人は必ずといって良いほど充実した精神の世界を求めます。そして、充実した精神に必要なものは「癒し」です。



戦後、ひたすら走り続けてきた私たち日本人は歴史の踊場で一息つき、さまざまな価値観の見直しに来ていることを実感しているのです。



今こそ、がむしゃらにモノに執着・拘泥する考えから、そのものと精神が一致する整合性に目を向け始めているのではないでしょうか。

この時、私たちは初めてモノから授かる「癒し」を体験するのかもしれません。



例えば、ブランド商品に目を奪われていた方が、ある時シンプルにして機能的、そのフォルムの美しさに愕然としたという作務衣。

作務衣の現代における人気は正にモノと精神の無理のない整合性にあるのです。



そして改めて回りを見渡せば、作務衣同様シンプルにして機能的、かつ心を癒してくれるものがあることに気づきます。

その一つに僧侶の外出着として馴染み深い「改良衣」があります。



自らを悟りを開く厳しい境地に追い込みながら、人々には慈悲と癒しを施す僧侶が到達した必要最低限のフォーマル着、それが「改良衣」なのです。



ありとあらゆる無駄をそぎ、かつ伝承の様式を踏まえ清潔な「癒し」を与えてくれる「改良衣」。

そこには、私たち現代人が忘れていた「質素という贅沢」を彷彿とさせてくれるものがあります。



人とものとの付き合いに「癒し」を吹き込む「改良衣」は身近に備えておきたい一着です。

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人と物の付き合い考 工夫


二足歩行するヒトと猿は他の動物と比べ進化の度合いの高さを示しています。

とりわけヒトは二足歩行によって正に前足であった「手が空き」、あらゆる道具を作り、生活を豊かにしてきました。その道具の一つに"履き物"があります。



ヒトは進化とともに、素足で歩くことによる怪我の恐怖から履き物を生み出しました。こうして生まれた履き物は、時代とともに世界各地でさまざまな形に進化してきました。



こんな俗説なことわざがあります。



"京の着倒れ、大阪の食い倒れ、江戸の履き倒れ"。



このことわざはなによりも「足許を見て人をさぐる」と言われるように"粋"に価値を見出した江戸人がただの歩行の道具であった履き物を、ファッションの域まで昇華させたことの証しです。



今、世界の履き物文化は、その機能性、ファッション性においても進化し続けています。一つの道具が繰り広げる進化は常に時代のニーズが母胎となっています。



さて、このようにヒトは知恵によりさまざまなものを作り出しましたが、最近のストレス社会を反映した安眠グッズが根強い人気を保っています。



健康の基本であり、人生の三分の一の時間をゆだねる"睡眠"こそ快適にしたい、とだれしも願います。



最近では形状・素材のレベルから科学の知恵を取り入れ、安眠のポイントである枕にもマイナスイオンを施し、バイブレーション機能で目覚めもスッキリできるものが発売され人気を博しています。
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人と物の付き合い考 拘り


人をもてなす心を礼といいます。

礼を尽くす、これこそが尽くされる人にとっては最高の贅なのです。そして、人をもてなすときには、もてなす側になんらかの「拘り(こだわり)」があるでしょう。



"馳走"という言葉の意味は、客をもてなすために奔走すること、つまり拘ることであり、高価なもの、贅沢なものより、その行為の有り難さを"御馳走"というのです。



昨今、天然、無添加、有機など、素材本来の持ち味に、人の技という行為を融合させ、その拘りを表する代表的なもてなしの料理として蕎麦があります。



最近では、蕎麦打ちも職人の領域から一般へと広がり、お客様が訪れたときに、実際に手作りの蕎麦でおもてなしをする方も増えています。



そこでは、素材であるそばの実の産地や、そばの花の清楚な美しさ、香りなどを語らい、実際にそばの実を碾いて、打って、ゆで揚げ、調理してさしあげます。



お客様は石臼や本格的な手の込んだ手法に驚きとともに舌鼓をして、改めてその真心のこもったもてなしに感謝されるでしょう。



真心と大切な時間を掛けたとき、そこには客人の喜びがあり、客人の喜びはそのまま主人の至福の時でもあります。



このもてなす側の拘りは、趣味の世界へと話を広げ、お互いの団欒のときを一層楽しく味わい深いものにしてくれるものなのです。



ささやかでありながら奥の深い趣味「蕎麦打ち」、充実した一日を体験したい方には是非お奨めします。

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人と物の付き合い考 縁起


私たちは生活するあらゆる場で様々な<物>たちと共生しています。



古くは農耕や狩猟に使った道具から、現在のハイテク製品まで、必ず私たちを助けながら生活を共にしています。



これらは、ある時は便利に生活するために欠くことができないものであったり、ゆとりや和みを与えてくれるものであったり、心の拠り所になるものであったりと、生活の中で様々に関係しています。



そして、その<物>と私たちとの関係が長くなればなるほど、愛着という感情が育ち、互いに親密さが増してゆくものなのです。



あなたの身の回りにもそんな愛着のある<物>が、きっと多いことでしょう。また、今後関係を深めてゆくものたちとの出会いは永遠に続くはずです。



「縁起」とは、仏教用語で因縁の法則。

一般には、神や仏の霊験を記したもので、多くのものの吉凶を法則化したものと言われています。

そんな縁起を最も大事にしたのは、江戸時代の庶民たちでした



一方、中国には『風水学』と呼ばれる開運を追及する学問があります。これは、色、方位、形など常に一定の法則の基にあり、これを実践することで運気を集め成功に導くというものです。



香港の街の建造物などは全てこの(繁栄のシンボルである竜の通り道などを想定した)風水学に基づいて建築されています。



さて、最近の日本でもそんな縁起を担ぐことを生活に取り入れることが流行しています。なかでも、不況を反映して蓄財を縁起祈願する弁財天に纏わるものの人気が高いようです。



弁財天は、インドの神話でサラスヴァティーと呼ばれ、穀物を豊かに実らせる川の神とされ、蛇を使者としています。

蛇は西洋では医聖ヒポクラテスの時代から知恵のシンボルとして有名ですが、日本では蛇の夢を見ると大金が入るという言い伝えは、この弁財天に由来しているのです。



このようなことから弁財天の化身とされる天然白錦蛇の財布が金運を集める商品として人気を集めています。

また他に、幸運をもたらすものとして人気が高いものに竜や虎や招き猫といったものがあります。



竜虎は、都の東西を護るものといわれ風水では重要な存在とされ、招き猫も人とお金を招くとしてその愛嬌も含めて多くの人に愛されているのです。
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新年はご家族お揃いで――作務衣で迎えるお正月 (2)

それは日本人の新たな心意気



厳かな中にも、ぬくもりとくつろぎに満ちたひととき――私ども伝統芸術を着る会では、そんなお正月を実現するために、創設以来一貫して<作務衣で迎えるお正月>というライフスタイルを提唱し続けてまいりました。



しかし、作務衣を着て、和の精神論を滔々と語っていただきたいというのではありません。



佳いものは黙っていても相通じると申します。

大黒柱が正月おろしの作務衣に袖を通し、ずいと上座に居座るだけで、まさに以心伝心。

ご家族の方々の心に情憬の思いをいだかせ、謙虚と粋を併せ持つ和の伝統の心意気がじんわりとしみ渡るのです。



ご家族で作務衣姿。温かな団らんもひとしお…。



そこで、<作務衣で迎えるお正月>をより一歩進めたご提案をひとつ。



一家の長に、新春に相応しい作務衣を着ていただきたいのはもちろんなのですが、年賀といえば、例えば一家をお構えになったご子息や、嫁いでいったお嬢様方と久方ぶりに絆を確かめ合う目出度いお席でもございます。



あれこれと思い出話に華が咲き、身内ならではの遠慮のない温もりをしみじみと感じながら夜も更け、お泊りになられることは当然のこと。



そのご家族のお着替えとして、作務衣をご用意されてみてはいかがでしょう。



三箇日に皆さま揃って粋な作務衣姿。

むこ殿と時を忘れ杯を交わすもよし。童心に返り、皆が揃って双六のひと振りに歓声を挙げるもまた一興。

実に粋な情景と相成るに違いありません。



着るだけで和の佳さが伝わる、日本の伝統着――作務衣が、ご家族の絆を深めることにも役立てば、作務衣の専門館として決意も新たな当会として、これほど嬉しいことはございません。
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新年はご家族お揃いで――作務衣で迎えるお正月 (1)


一年の計、元旦の儀式。その佳き習わしが今や…。



桃源郷に遊ぶ――とでも申しましょうか。

理想を追い求める人生は、ふと気づくと、驚くほど時の流れが早いもの。

つい先日、春を寿ぐ心地よい調べを耳にしたと思っていたのに、街には師が走る季節の兆しが漂い始めています。



一年使った心の旅のわらじを脱ぎ、家族揃って心身ともに清水を浴びるような、清々しいお正月はもう目の前。



とはいえ、年賀の席も今やめっきり様変わり。

洋風ナイズされた時代に生まれ育った若者方は、一年を通じて最も日本人として生まれた慶びが堪能できるお正月といえども、その過ごし方は如何せん、賑やか三昧の洋風…。



伝統を重んじる和の風が時代の空気を確実に変えつつあるとはいえ、一朝一夕にはいかぬものなのでしょうか。



会員の方々にはお分かりいただけると思うのですが、幼心にも感じた元旦の朝の一種の緊迫感。大黒柱がずいっと姿を現わし屠蘇をいただき、頼もしい中にも畏怖を覚えた、みそぎのようなひととき…。



思わず背筋が伸びるあの時があればこそ、それからの一年にかける思いが際立ったのです。



それが消えつつあるのも時代の流れ…と割り切ってしまうことの善し悪しを論じるつもりはありません。



どんなに形が変わろうとも、新年祝う気持ちに違いはないのですから…。
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厳かに、くつろぎたい--作務衣で迎えるお正月(1)


年賀状の整理などをはじめると、もう年の瀬。季節はめぐり、またお正月がやってきます。



ところで、来たるお正月は、あなたにとって何回目になるのでしょうか。指折り数えていると、これまでのお正月がまるで絵草子のように浮かんでくるものです。



無邪気にお年玉袋を抱えてはしゃいでいた頃、元旦の儀式が何となくわずらわしくてすねて見せたあの頃、子達にお年玉をあげる立場になった頃…。



さまざまなお正月を重ねながら、現在があります。まさに、お正月は人生草紙の折り目であり章なのです。

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正月おろしの<寿シリーズ>謹寿


<寿シリーズ>で“正月おろし”という方が急増



<作務衣で迎えるお正月>というご提案が、おかげさまで広く普及した影響でしょうか。作務衣に関心をいただきながらも、つい着る機会を逃していらっしゃる方や、「正月くらいはやっぱり和服でピシッと過ごしたいが、着物じゃちょっと窮屈だと感じていたんだ…」という方々から、お正月が作務衣を着始めるいいきっかけになったよという、実に嬉しいお便りがこの数年でたいへん増えました。



その傾向に応じて六年前にスタートした「寿シリーズ」も、おかげさまで毎年大好評。そしていよいよ、今年を寿ぐ新作は…?



人気の“黒刺子”を寿尽くしの衣装で仕立てた、誠にめでたい、そして皆様待望の一着と相成りました。

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儀式と伝承の桧舞台、お正月


一年、三百六十五日が過ぎると気分も新たに年が始まります。いつ、誰が考え出したのか知りませんが、こんな時間の区切りというのはとてもいいものです。



人生が、いや歴史がただ何百何十万何十日…と区切りもなしに続くとしたら、味も素っ気もないものになることでしょう。



年号があったり、百年を世紀で表したり、一年は十二ヶ月、ひと月は三十日という具合に霧があることは、日々にメリハリを付け四季の移ろいも合わせて、私たちの暮らしをみずみずしいものにしてくれる、とても人間的なシステムだと思います。



伝統の儀式や様式、お正月は桧舞台です。



その最も象徴的なものが“正月”です。

十二月は三十一日の深夜まで取り立てに走り回る借金取りも、除夜の鐘と同時に“おめでとう”――これは別に落語の世界だけの話ではありません。

新しい年のめでたさや晴れがましさの前では、旧年のイヤなことやつらいことも姿を消してしまうということです。



という訳で、今年も残りわずか。

何かと大変だった今年も、一夜明ければ希望に満ちた新しい年のスタート。

何代にもわたり伝承されてきた儀式や様式の舞台が、松が取れる頃まで華やかに厳かに展開します。



家族全員が、あたかも時代劇やドラマの主人公みたいに気取っていたり、お父さんがお父さんらしかったり…多少のテレくささはあっても、それでいいのです。それが、まさにお正月なのですから。



みんなが日本人になってしまう初詣には、和装の人もどっと繰り出します。そんな中で、思い切って異彩を放ってみませんか。古くて新しい装いの組み合わせ。重厚にして斬新、参詣の人たちのため息を感じながら闊歩。



作務衣で迎える正月には、格別の味わいがあります。

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