日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」

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カタログ和服こぼれ話

樹木染め 天竜杉染め(1)


樹木への想い――



その陽なたで本を読んだ。

昼寝もした。

旅人はひとときの涼をとった。

木登りは少年を男にした。

少女は花飾りを編んだ。

ざわめく葉音に畏怖を感じた。

幹に名前を刻んだ。

爺さまは毎日拝んでいた。

昆虫や虫たちの宿屋だった。

風や雨や雪を許していた。

矢や弾丸がかすめたこともあった。



広く根をはり、びくともせず、歴史を見ていた。

愛しながら、敬いながら、人はそのふところに抱かれた。



その時代ごとに――樹木はオヤジだった。



樹木のある暮らし…それは誰もが望む自然回帰への本能です。



樹齢何百年という大樹を目の前にした時、私たちはとても懐かしい想いがします。同時に、なぜか身のすくむような感じもあわせ持つものです。海がヒトの胎内なら、森はヒトの父親だった――そんな気分におちいります。



ヒトと樹木の付き合いは、ヒトの歴史を物語ります。樹木が与えてくれる恩恵は、精神的なもの物理的なものを合わせると、それこそ計り知れないものがあります。



こんな樹木への思いを込めて、特集テーマは“ウッディ・ライフ”、つまり“樹木のある暮らし”です。

といっても、当会のテリトリーから考えても大層なことはご提案できるわけがありません。しかし、せめて「樹木への想い」をできるだけ形にしたいと思いました。

万葉百彩シリーズの一環として、今回は「樹木染め」。そうです、樹木による染め技法を皆さまにご披露したいというわけです。



心や目で感じる樹木の香り、樹木をまとう感覚から生じる自然回帰。新しい世界の広がりを、ぜひお試し下さい。

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