日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」

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甦る日本の和服 伝統技術と匠の技

西ケ崎から、新しい風。「辻村染織のお茶染め」(6)


タテ糸とヨコ糸の割合をイメージに沿って計算する。



天日干しした糸をいよいよ織り機にかける。ヨコ糸は少し濃い目にタテ糸は薄目に…。

「その割合は倅が計算するんだ。ただ織りに関してはワシにも多少の出番はあるな」と七代目。啓介さんも、「よく相談しますよ。やはり、おやじの経験は貴重ですからね」



啓介さんのイメージにある色を実際に織りで出すのだから、タテ糸、ヨコ糸の割合はデリケート。二人で額を寄せ合って考えている。



「染めの色が均一な科学染料なら一回決めちゃえばいいんですが、手染め、糸染めですから、その都度細かなチェックをいれてます。それに、これまでずいぶん織ってきましたから、だいたいのカンは身についてます」



手織に近い速度でゆっくり糸が織られていく。

こうやって織り上げられた生地を、ワッシャーで丹念に洗う。この段階で、茶染め本来の色が姿を現すわけである。これでもか、これでもかとワッシャーにかけることで色落ちも防げる。



最後に、この生地を縫い、いよいよ完成となるのだが、啓介さんの仕事は一応これで終了。あとはプロの手による縫い上げを待つばかりである。しかし、ほっとする暇はない。山のような白い糸が、啓介さんの染めをじっと待っているのだから…。

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