日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」

日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」は「作務衣の専門館『伝統芸術を着る会』」によって運営されているウェブサイトです。
カタログ和服こぼれ話 , 99~00年の作務衣

伝統工芸品を証明する「伝統マーク」をご存じ?



天然の素材を使用し、熟練した職人の手ひとつひとつ真心こめて作られる日本古来の産業品。それが「伝統工芸品」です。美術品的な美しさを持ちながら、高い実用性も兼備、長い間使われ続けてきたことで完成度も高まっており、次の条件に当てはまる190品目が通商産業大臣より指定されています。



●熟練した職人により作られ、芸術的要素を持つ。

●日常的に使用できる。

●主な工程を手作業で行なう。

●原材料や技法が100年以上継承され、今も同じように作られる。

●個人やグループ規模ではなく、地域産業として成立している。



そして合格した製品には、「伝統マーク」が与えられるのです。
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カタログ和服こぼれ話 , 絹作務衣

野蚕の繭(のがいこのまゆ)


いかがですか、この逞しさ。大きさ、そして大地を思わせる色――これが、山野に在って落葉樹の葉を食べながら自生している天然の蚕の繭です。もちろん、この繭から採れる糸は絹。生育の状況から<野蚕絹>と呼ばれています。



絹といえば、屋内にて桑の葉を与えられ飼育した蚕の繭から採る糸(家蚕絹)のこと――というのが通り相場なだけに、この天然の蚕の写真には驚かれたかもしれません。しかし、彼らから言わせれば、「オレたちが絹のルーツなんだ!」ということになるかもしれません。



確かに生産や採算の効率から考えれば、絹のほとんどが家蚕(養蚕)で占められているのも無理はありません。ですが、逆にいえばその希少性や天然ならではの独特の光沢、粗野とも思える感触、大小さまざまな不均一性の特性を活かせば、家蚕糸にない魅力が引き出せるかもしれない――と当会は考えました。



現在、野蚕で絹を作っているのは、世界でも絹の発祥地といわれる中国のみ。すぐに取り寄せた野蚕の繭玉が見せる圧倒的な野性味に驚嘆。当会の発想、着眼は間違いではないとの意を強くしました。

そして完成した野蚕絹の作務衣――さあ、ご覧下さい。
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カタログ和服こぼれ話

“心の書斎”と呼ばれる作務衣の魅力を問う(2)


素材、意匠ともに装いとしてまさに完璧…



作務衣の素材の基本は綿、染めは藍。つまりすべてが天然、自然の恵みにて創られたもの。作務衣を着ると、どこか懐かしく、ほのぼのとした安らぎを感じるという方が多いのは、そんなところにもあるのかもしれません。



前述したように作務衣は、もともとは僧侶が作務を行う際に着用するために生まれた作業着です。それは、歩く、座る、身体を動かすといった、人間本来の基本の動きに基づいたもの。しかし、私たちが今過ごしている毎日は、そういった身体を動かして働くという基本からは、ほど遠くなってしまっている気がします。



現代において作務衣がブームになっている背景には、煩雑な生活の中で私たちが忘れかけていた“人間らしさ”を、肌を通して思い出させてくれるからなのでしょう。



【写真】

先人が生み出した優れた意匠の冴え。身体の動きを綿密に計算して創られた和装の傑作品。



1、衿に芯を入れ込むことにより衿元の着崩れを防ぐことはもちろん、寒い季節における風の吹き込みをも防ぐ。

2、ゆったりとした身頃から先細りへと続く筒袖は動きやすさを重視したもの。

3、身幅に適度な余裕を持たせ、身体の動きに自在に対応。座る、立つ、基本動作も非常に楽。

4、腹部を締め付けないヒモとゴム仕様にて着こなしも楽なズボンはポケット付で何かと重宝。

5、ズボンの裾はゴム入りで、歩く姿も凛々しく引き締める。足元から入り込む寒風もシャットアウト!


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作務衣進化論(2)


常に新しいスタイルの確立を求めて・・・。



伝統芸術を着る会が提唱する作務衣の基本である、素材は綿、染めは藍という形は、今や毎日の暮らしの中で自由に着こなす普段着として幅広く認識され、愛用される方が増幅し、静かなブームとさえなっている感があります。



そこへ加えて、“新・作務衣”の登場により、作務衣の世界が一段と豊かなものになることは間違いありません。



しかし、伝統芸術を着る会では、それ以前から、あくなき挑戦を続け、新たなるスタイルの確立を求め続けていました。



例えばそれは「袴アンサンブル」と呼ばれる新様式。

これは、作務衣に袴を合わせ、それまでにない野趣あふれる凛々しさと、個性的なフォーマル感を愉しんでもらおうという新スタイルで、今ではパーティーへ参加する際に着るなどTPOも多様化し、定番化しているとのこと。



また昔ながらの素朴な手刺子と正藍染を融合させ、すべてが手仕事と云う贅沢な過程を経て、現代風のデザインで仕立てた高級感あふれる希少価値の高い作品を登場させるなど、その手法は、いわば自由自在な温故知新。



それは逆に云えば、それだけご愛用者の方々の目が肥え、豊かになったことへの対応の如実なあらわれと云えるでしょう。



新しい時代の到来と共に産声を挙げた、古き佳き素朴さの中にも“豊潤に香り立つ新しい粋”を放つ作務衣の資格なのかもしれません。



【写真】

・次世代へ羽ばたく新・作務衣。陣羽織風の個性的で凛々しい羽織が特徴の一着です。

・フォーマルも、より個性的に。作務衣と袴を合わせた新様式、袴アンサンブル。

・手刺子、正藍染めで、手仕事。月産30着という希少な品。
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作務衣進化論(1)


時代が変わる。作務衣も変わる。“新感覚の作務衣”、続々登場!



高い精神性、丈夫で合理的、普段着としての優秀さ・・・。作務衣に与えられたさまざまな評価と価値観、定義も、基本は守られながらも、時代と共に変わろうとしています。



「基本を見据えながらも、作務衣も現代の暮らしに対応し日々進化しなければならない」という、伝統芸術を着る会の信条が生み出した多様な作品はこの15年で作務衣に対する社会の認識を大きく変えましたが、しかしそれはまだ序章に過ぎませんでした。



なぜなら今年早々、次世代を担うというテーマももとに創られた作務衣、“新・作務衣”という作品が登場したからです。素材・仕立て・染めの水準が抜群に抜き出ていることはもちろんのこと、その特徴は見栄えを重視した「粋な意匠」。



それというのも、作務衣の復刻が始まり、世に広まり出した頃、作務衣選びの基準はいわば「質実剛健」だったのですが、今はそれに加え、お洒落着という観点から作務衣を選ぶ方が実に増えたからだそうです。



【写真】

・上着丈は通常より長めに仕立てています。

・中庸の美の上品な彩りが実にいい。グレーと茶、黒という3色の糸を用いた、上品さの中にも凛とした印象を与える彩りがたまらない。

・左右ポケット付。

・袴の利点を採用したズボン。適度な引き締め効果、シルエットを美しく見せる効果など・・・袴の持つ利点が随所に活かされた新発想のズボンです。

・特別仕様の内タックが美しさを創る。着用感にゆとりをもたらすと共に、ピシッと流れるラインが美しさを生み出します
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