日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」

日本の和服・作務衣を専門に追求した「作務衣博物館」は「作務衣の専門館『伝統芸術を着る会』」によって運営されているウェブサイトです。
カタログ和服こぼれ話

夏こそ粋の見せ場。例えば歌舞伎の場でも…。


暑い夏は誰もが着るものに無頓着になる季節。

ということは逆に言えば、夏こそ本物の粋、本当のお洒落を、作務衣で個性的に主張できるということ。



それもそれなりの場へのお出かけとならば、作務衣姿はなおさら引き立ちます。それは例えば夏の歌舞伎見物…。



歌舞伎は「科白劇」と「舞踏劇」の二つに大別され、前者は公家や武士など貴族たちの道義感を表した「時代物」と、市井の庶民の生活をモチーフとした「世話物」のふたつに分けられます。

(幕末頃の「世話物」は「生世話物」というそうです)



また、歌舞伎場には独特の装置と道具があり、「廻り舞台」「花道」「迫り上がり」など劇場建築の一部を成す機構があり、役者の演技と結合して、見事な演劇を創り出す重要な要素になっています。



それと共に忘れてならないのがは、観客も華になるということ。舞台はもちろん、客席が共に昇華して、歌舞伎と言う場は、さらに深い感動を生み出すのです。



それなりの場には、それにふさわしい作務衣を。それが本当の粋なのです。

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カタログ和服こぼれ話

光に映える、柔らかなシボ模様――ジュンロンという素材


112年前にフランスで生まれたレーヨン繊維

拙文をもって商品のご紹介をさせて頂いております筆者は、戦中に生まれ物のない時代に生きてきたせいか、これまで「レーヨン」という繊維に対して大きな認識の誤りをしていました。

石油か何かでできたもの…という様な偏見を持っていました。



まさに、穴があったら入りたいような心境ですが、同世代以上の方の中には、筆者と同じような誤解をお持ちになっていた方もおられるのではないかと思い、こちらから先に恥をさらしてしまいました。



調べてみますと、このレーヨンなる繊維はなかなかのもので、1901年のビクトリア女王の葬儀にこの生地で仕立てられた服が着用された程の格式を持っているのです。



原料はパルプなどの天然繊維素高分子

「レーヨン(Rayon)」は、1884年(明治17年)、フランスのシャルトンネ伯爵によって初めて工業的な製造方法が発明されました。さらに、1901年英国のクロス、ベバン、ビートルの3人によりビスコース法によって作られるレーヨンが発見されたというのですから、その歴史は日本の時代(明治)に合わせて考えるとすごいものがあります。日本では、1924年頃から生産が始まっています。



原料は、木材パルプやコットン・リンターパルプなどの天然に存在する繊維素高分子。これらを溶解しビスコースを作り、ノズルから押し出して繊維状に凝固再生させた繊維がレーヨンです。



用途としては、優れたファッション性と強い物性を利用して、ドレス、スーツ、シャツ、ジャケットなどに採用されています。



このレーヨンの長所を伸ばし、短所を改良して生まれたのが、新作の素材として採用されたジュンロンというわけです。

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カタログ和服こぼれ話

カタカナの作務衣があるわけ


当会の作務衣には、いわゆる横文字といわれるカタカナ表記を持つものも多くあります。



デニム、夏のサマーウール、秋のコーデュロイ、何やら洋装ファッション誌の趣き。



ところが、これらのすべてがヒットの連発なのです。

私どもとしては、無理やりにこの横文字素材を集めたわけではありません。

数多くの試作生地の中から、季節にふさわしい、作務衣にふさわしいと判断したものが、たまたま横文字素材だったのです。



それはまさに、現在の洋装ファッションの流行とピタリと一致しています。

このことは、今や作務衣は定着どころか、洋服やカジュアルウェアなどと同じポジションのように、広くその良さが受け入れられているという以外に考えられないのです。



重ねて申し上げますが、私どもは、この素材でこの色を――と決めて職人さんにお願いするケース以外は、まず試作生地を素材名など知らされずに、目と手で審査いたします。

そして、どれが最も新作作務衣のテーマにふさわしいのかと、意見をまとめて生地が決まります。



当会以外では考えも及ばないような独創的な作務衣は、古きを再現し、新しきを探る――という当会の理念でもあるのです。

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