作務衣の魅力

作務衣の魅力

受け継がれ、広がる作務衣

作務衣

作務衣とは、古来より僧侶たちが、作務(心の雑念をなくすための労働一般を言い、大切な修行のひとつとされている)を行う為に着用したものです。

四季を通じて厳しい労働をするという前提で考えられたものだけに、その着やすさや動きやすさ、丈夫さは別格。

長い歴史の中で着継がれてきたこの作務衣、現在では仏門以外でも広く着られるようになり、素材、形、色もさまざまです。
つまり、時代と共にこの伝統的な作務衣も少しずつその様子を変えてくるというわけです。

しかし、その伝統性や作務衣の持つ独特の精神性に価値観を認めるなら、やはり本格的なものを着て楽しみたいものです。

作務衣に託す自己表現と精神的な開放

作務衣

作務衣を着た人を見てどう感じるか?と質問すると、実にさまざまな答えが返ってきます。

「着ごこちが楽そうだ」と機能性をいう人。
「なかなか渋い。趣味が良い」とその伝統性を見る人。
さらに、「人間性に奥行きを感じる」とか「意識が高そうに見える」などと、その装いを通して人格的なものまで評価するケースも多く見られます。

袖を通すだけで背筋がピンと伸びる感覚、仕事や世間のわずらわしさから解放され心が洗い流されてゆくような気分。

一枚の作務衣に託す自己表現と精神的な開放――なかなかの着眼です。

さらに、この精神性の高さに加えて、優れた機能性と合理性。
しかも、着るだけで「渋さ」と「粋」を演出できる見栄えの良さを併せ持った装いは、確かにちょっと他に類を見ないものと言えましょう。

現代人の忘れかけていたものが作務衣にはある

作務衣

前述したように作務衣は、もともとは僧侶が作務を行う際に着用するために生まれた作業着です。

それは、歩く、座る、身体を動かすといった、人間本来の基本の動きに基づいたもの。

しかし、私たちが今過ごしている毎日は、そういった身体を動かして働くという基本からは、ほど遠くなってしまっている気がします。

現代において作務衣がブームになっている背景には、煩雑な生活の中で私たちが忘れかけていた"人間らしさ"を、肌を通して思い出させてくれるからなのでしょう。